ヨモギ団子をつくる


リンゴとデコポンと冷凍イチジクとニンジンのスムージー、それにわずかのビーツの輪切り(生で)を入れるだけで、こんな色になる。ビーツの色素はすごい。これが抗酸化作用をもつポリフェノールの一種、赤色の色素だがよく聞くアントシアニンとは異なり、ベタニンやイソベタニンというベタレイン系の色素と呼ばれる成分。

玄米おにぎりを作っておいたので冷蔵庫から取り出して鉄パンで焼く。途中でやっぱり油を入れたくなり、揚げ油1回だけやった残りのなたね油を入れ、上下を丁寧にひっくり返してうっすらと焼き目をつける。

シュンギクの胡麻和え、自家製切り干し大根の煮物。そして、

梅干し入りネギ味噌。

外に出ると、ようやくダンチサクランボが開花し、ミツバチが盛んにやって来ていた。

今年もたくさんの実をつけてくれるにちがいない。

コブシのつぼみも膨んできた。下にはヨモギが新芽を伸ばしながらびっしり。

昨日、お客さんに出そうと思って作れなかったヨモギ餅をやってみることにした。

2年前の3月に購入したこの本を、生かしきっていない。というのは、いつもヨモギの季節は仕事やら確定申告の締め切りやらで忙しくなってしまうからである。今年も同じように忙しいのだけど、今年は「野草を勉強するのだ、野草イヤーにするのだ!」とかってに決めているのでやるのだ。

これまでスイーツ系はyuiさんの持ち場で、僕はぜんぜん手を出さなかったので、実は今回のヨモギ餅づくりは初体験である。

まずはヨモギの下ゆでとアク抜き。ネットでは重曹(じゅうそう)を使うとか、茹でたあと20分ほど水にさらすとか書いてあるが、若杉さんの著では、3月上旬まではただの塩茹でだけでいけると書いてある。

その通りだった。茹でたものをちょっとだけ水にさらして、噛んでみたらほとんど苦味を感じない。まるで畑で栽培しているシュンギクのごとくだ。そして、すばらしいヨモギの芳香が口中に広がるのであった。

団子のベースは上新粉(うるち米の粉末)と白玉粉(もち米の粉をさらに水で精製したもの)を練って作るのだが、白玉粉でなく「もち粉」の袋を買ってしまったのでそれで代用する。若杉レシピでは、上新粉が白玉粉の3倍超の割合である。

で、どちらも塩少々を入れ、上新粉はお湯で練り、白玉粉(もち粉)は水で練る、と書いてある。別々に練ってから合わせるのがポイントだと。合わせてからも10分練る。この湯水加減が難しく、入れすぎてベトベトになってしまい、粉を足し打ち粉をしてなんとか乗り切った(汗)。

これを1.5㎝厚に伸ばして切って、蒸し器にかけるのだが、

YouTubeでクッキングシートをこんな風に加工して載せていたので真似てみる。

蒸しは20分。いい感じに膨らんできた。このとき生地に水分が多すぎるとベトベトになってしまそうだ。

さてヨモギのほうだが、バイタミックス やフープロが早いとは思ったのだが、ここはすり鉢でやってみたい。直感的にこの料理は手動が重要だと思った。以前、「煎る擦る」に関して考察を書いたことがあるけど、このヨモギは機械粉砕してはいけないような気がした。

電磁調理と擂粉木と(2007.2.15)

さすがにこの山椒のすりこぎは細すぎたので、スギの太めのものを途中で使用。すり鉢もこのサイズじゃちょっと小さいね。足ではさみにくい(すり鉢は座ってやると力が入る)。いちどにできそうにないのでヨモギを2つにわけておく。

蒸しあがった餅を入れて擦ったヨモギに突きながら混ぜていく。みるみる色がかわってくが、すりこぎだけではうまく混ざらないので、熱がとれたら手指でこねていく。

2玉できた! 手に水をつけながらやるとくっつきにくい。が、あまり水を使いすぎるのもマズイだろう。その加減が難しい。

小豆あんは今回は市販品で。綾歌産の添加物なしのものがキムラで売っていた♬

自家製の竹串に団子を刺してみた。大きいものはぜんぶアンコを入れた。餡の包み方、その後の団子の丸め方もなかなか難しいが、やっているうちに法則性を発見する。やってみて感じたのはこれは相当に手のパワーや念が入る食べ物であって、家族を思う母親や婆さんたちの仕事であることがよくわかる。

できたてを食べてみる。うまい!!! ヨモギの香りがするする! ベースの餅の感じもなかないい。これなら売りに出しても恥ずかしくない(笑)。

というわけでyuiさんのご実家にささっとお届けし、帰宅して一仕事してから仏壇にお供えした団子でお茶してみたら・・・これがメチャウマなのである。あんを包まないからピュアに解るのか、やや時間がたって塩味が馴染んだこともあるのか、とにかくパワフルで感動の旨さなのだ。

摘み草と団子・・・これはやはり重要な食べ物なんだろう。日本人が春にヨモギ団子を欠かさなかった訳が、わかったような気がした。春のパワーとばあちゃんの慈愛のパワーがこの餅には込められているのだ。

これをさらに自家製の自然農の穀類と、山の水と、そしてすべてを薪火でやったとしたら、どれほど美味くなるだろうか? 山暮らしの中で「自家製餅のお雑煮」に感涙したことをふと思い出したのである。

お雑煮の味(2006.1.1)


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