「囲炉裏暖炉」の煙突掃除/2回目


前日、熾炭を作りたくて大きな節だらけの塊を燃やしたのだが、煙の引きが悪く、煙突を触ってみるといもよりちょっと熱くなっているのを感じた。結局、その日はそのまま薪を燃やし切って囲炉裏を終えたのだが、これは煤詰まりに違いなく、今日は朝から煙突掃除をすることにした。

前日の煙漏れの写真がこちら。時間は朝9:30頃。日中屋根が暖まるとき、そして強風のときには抜けが悪いことがたまにある。この日も風が強かったが、ここまで煙が漏れるのは珍しい。

前回煙突掃除したのは2019.3.25だから3年ぶりということになる。前回自作した煙突掃除グッズを下屋から取り出してきた。

フィーダー線と角材を組み合わせ・・・

先端にはシュロの皮を針金で巻いてタワシにしている自家製のものである。

まずフード周りで煤がこれだけ落ちた。

次いで棒を伸ばしながらブラシを持ち上げ、上下にしごく。その後、火棚のダンパーを取り出すと、その上に落ちた煤がごっそりと載っていた。

かき集めると大きなボールに1杯分くらいの煤が。さすがに3年も貯めるとかなりの量が出る。

前回のときその理由を詳しく書いたが、薪ストーブに比べて囲炉裏暖炉は煙突掃除がずっと少なくて済み、煙道火災もまずおきないので安心である。が、煙突が熱くなったということは、内部にこびりついた煤が、ごく微量ながら発火している可能性があるので即掃除をしたのだ。

本当は屋根に登って煙突トップを開け(開閉できるように設計されている)、上部からゴム製のスクレーパーなどで煙突内壁をしごいて落とすのが理想であるが、この室内からの煙突掃除のやり方はズボラで便利で、1時間もあれば掃除が終わってしまう。

薪ストーブとちがって囲炉裏暖炉の場合は、煙突を外す必要もなくフードの中から突っ込んで掃除ができるし、スライド可動式のダンパーがその煤受けになってくれ掃除が大変しやすい(煙突の中にダンパーを入れる方式を採用してしまうとこの掃除のやり方はできない)。

掃除ブラシの自作には、シュロは古い屋敷や手入れの遅れた人工林や雑木林に生えているので、その皮を剥がしてもらってくればよい。木の棒は床面から煙突トップまでの高さを調べておき、上まで掃除できる高さに割り振って継ぎ足しする。継ぎ部は可動できる程度にガムテープで巻いてくっつける。フィーダー線は古物屋か街の電器屋さんに声をかけるとタダで貰えるかもしれない。

ネットで調べてみると「ホンマ製作所」とか海外メーカとか、同じようなやり方でワイヤーブラシとロッドの組み合わせがあるようですね(こちら)。ただし薪ストーブでシングル煙突の人は僕の囲炉裏暖炉のケースを真似しちゃダメ! 毎年2回くらいマメに掃除しないと危ないですよ!

さて、掃除のあと燃やしてみたら、やはり抜けがよく実に快適♬ いつもながら窓からの光効果もあいまって囲炉裏暖炉の空間は美しいです。

このアトリエ2Fに入ってくる自然光は夜明けから日暮れまで変化に富んでいて、とくに囲炉裏暖炉のある白壁と窓の効果は狙い通りだった。煙がよく漏れるようになると、この白壁が煙で黄ばんでくるはずなのでそれは避けたいわけである。

しかし、もう竣工から7年になるというのに背後の漆喰壁の美しさの保持は驚くべきものがある(壁に関してはこれまでいっさい掃除をしていない)。これが漆喰でなくビニールクロスだったらどんな結果になっていただろうか?

いま、新築で漆喰塗りを考える施主は少なく、工務店もまず薦めない。日本の住宅建築は間取りや設備関係には熱心だけど、こういう光に対する美しさや窓の効果はほとんど考えないよね。大壁が主流となり、様々な窓が自由に配置できるというのに。

いま、新たな囲炉裏暖炉の設計施工に関わっているのだけど、その他にも火にまつわる石組み石積みや、建物空間づくりの話がいろいろ来ている。今年はいくつ美しい空間やファイヤープレイスをつくれるかな?


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