今日は人数が増えたのでプロジェクターを使うことにした。映像のプロT君がてきぱきとスクリーンや機材を完璧にセットしてくれ、僕はリラックスして講義に集中することができた。今回のタイトル表紙↓・・・イラストはリンダ嬢との合作である。
今回は森林問題にもかなりのツッコミを入れ、囲炉裏暖炉のなかに環境問題を喚起させることになった。日本の全森林のうち四割が人工林だ。そろそろコトの重大さに気づいてもいいのじゃないか? 今回のスライドは50枚近くに及んだが、その写真や図版はほとんどが過去に制作したストックだ。僕はこれらの問題に時代が追いついて来るのをずっと待っていたのだ。
質疑応答を終えるとお昼。ベジだけど、リンダ嬢が腕によりをかけたおかずがずらっと並ぶ。
カブのポタージュに八屋戸でとれたお米のご飯。そのほか大根や里芋の煮付け、漬物、佃煮類などなど多数♬ これだけでも、このワークショップに来る価値があるというもの。
食後は昨日に引き続き小さな焚き火。子供たちは火よりも薪割りに夢中になってしまう。薪割りの練習ににもスギ材は最適。
コレ園芸グッズらしいのだが、ちょうどいいのでミニ三又にして鉄瓶をぶら下げてみた。
今日も皆に水源を見てもらった。
イタル君がもうひとつの持ち山に行きたしというので帰りに案内してもらう。こちらはヒノキだった。これまた典型的すぎる間伐手遅れ林である。一度だけ弱い間伐をした跡があるが、いまだ植林時のグリッド(碁盤の目)が見えるような状態である。
枝打ちは一度も行われていない。おそらく昨日見たスギ人工林も枝打ちはしていないのだが、スギは枝枯れすれば枝が自然に落ちる。ヒノキは硬いので落ちない。これがヒノキの荒廃林をいっそう凄惨なものにしている。
かなり前に「いま間伐しておけばなんとかなる」と言われたらしいが、それをしなかったことを、イタル君は悔やんでいるようだった。
ここまでの線香林は巻き枯らしするしか方法がなく、それをしたとしても残したヒノキの成長はほとんど期待できない。すでに生き枝が樹高の1/5以下になっているからだ。しかし巻き枯らしすることで光を入れ、環境を取り戻すことはできる。そして、立ち枯れした木はいずれ伐採して使うことができる。
救いがあるのは斜面がゆるいことで、表土の流出が逃れている。巻き枯らしに「大地の再生」的手法を加えれば、ヒノキそのものを再生できるかもしれない。それは、いまだかつて誰もやったことがないのだが・・・。
立ち枯れのヒノキの細いものを選んで、手ノコ伐採やヨキでの枝払い体験をすることにした。ここでも子供たちが熱心に刃物を持つ。男の子にとってこれはもう本能なのだろう(笑)。
「初夏になったらここで巻き枯らしをやろう」とイタル君に言った。彼の持つスギ・ヒノキ林はどちらも道に隣接し、平坦で容易に運び出すことができる。ワークショップの学習にも観察にも、最適の場所といえる。
戻るとすでに解散時間が近づいていたが、急いでタマリン紙芝居をやることにした。紙芝居の中にタマリンのセリフに・・・
「ところが下におりてみるとがっかりしちゃう。君たちがポイポイ捨てたごみがいっぱいだぁ。それからせっかく植えた木が雪で折れちゃったり、つる草に巻かれて助けを求めている。これじゃ僕たちもエサをさがすのが大変だ」
という場面があるのだが、同じような荒廃人工林を見て間伐体験してきたばかりの参加者には、実に臨場感たっぷりだったのではないだろうか。
居残っていたゆみさん(紙芝居の女性読みを担当してくれています♬)が、囲炉裏暖炉の1/10スケールの模型を作ってくれていた。
僕のアトリエの第一号はフード・煙突はアイアンの黒で角煙突だが、ここHACHIYADOではステンレス(シルバー)に丸煙突(スパイラルの既製品)を使う予定なのだ。それまで色紙で再現してくれた♬
その後、会がお開きになってからリンダ嬢と実測しておよその制作位置にテープを貼ってみる。
模型に手をかざすリンダ嬢ww。
よく見るとステンレスの表面のつや消し仕上げまで再現してあるのだった。ゆみさんスゴイ❣️
↓※僕が以前見た北海道モエレ沼公園のイサム・ノグチの作品です。囲炉裏暖炉のフードはこんな表面処理で仕上げたいと思ってます♬