八屋戸の源流、ハチが舞った後で(イベント当日/その1)


朝、「顔を洗いに源流の水汲み場まで行きましょう」とのお誘い。イタル君の軽バンにやっちゃんとともに同乗して上流へ。琵琶湖中央部の西岸は標高1,000mほどの比良山地がせり出しており、HACHIYADO339(イタル邸)までも結構な坂道で、振り返れば琵琶湖の湖面を望むことができるのだが、そこから山側も同じような坂道が続く。

バイパスをくぐって坂道を続いてのぼると、周囲はスギヒ・ノキ林になり道はさらに急になる。しばらくして石垣の上に鳥居が現れる。石版に金比羅神社と書いてあった。

車を降り、イタル君に先導されて歩道を登っていく。

太いスギが現れ、また鳥居が。その奥は岩壁となっており、水がしたたり落ちていた。手前に小さな手水舎(ちょうずや)が作られていた。

そこからさらに登っていくと木造のお宮が現れる。これが奥の院だった。歩道は集落の人たちが手入れをしているということだが、周囲の樹木は傷んでおり、下草は少なく土が流れ、落石がそこかしこにある。

車に戻って水場を目指す。「金比羅神社の名水」という看板が置かれていた。

水は甘い。そして、けっこうな水量だ。香川県でこんな名水どころがあったなら、毎日順番待ちの水汲み人が並んでしまうにちがいない。

古来より「水坂の名水」として山仕事の飲み水に親しまれ、「下流に住む人は江戸時代に石組みによる川を造り、水を集落まで引き、生活用水として大切に利用しています」とある。

この上流60mの岩場から水が出ているという。源頭まで行ってみることに。イタル君とやっちゃんに先に行ってもらい、僕はiPhoneで動画を撮りながら斜面を進んだ。

岩からほとばしる水は下で飲むよりやや尖った味がする。石が赤い。不思議な原水であった。イタル君はHACHIYADO339を「自然によりそう暮らし發信基地」と位置付け自然農田んぼなどもやっているが、改装中の母屋で飲食も提供しており(不定期営業)、水はすべてここの名水を使っているという。

帰りは砂防堰堤に立ち寄って、堤に上がって歩いてみた。デカイ・・・下にも段違いで続くその凄まじいコンクリートの量塊を感じた。竣工は昭和59年(1984年)というからまだ37年しか経っていない。

琵琶湖の絶景が見える。眺めがすばらしい! が、振り返れば堤の上流は土で埋まって水流がまったく見えない。木が堤を越して大きく育っている。この堰堤が大地を詰まらせているのは間違いない(地図でみるともう一基大きなものが下流にある)。

戻ると玄関の屋根の隙間から出入りしていたハチが活発になって動き始めている。イタル君の知人、仏師(彫刻家)のKさんが2ヶ所刺されてしまい、そこにちょうど僕のやけど治療を指導してくれたMさんが来て、刺され痕を見てもらうのだった。

昨日まではこんなことはなかったらしく、玄関前には「ハチに注意」という看板が置かれていたが、かなり舞い始めているので草で燻してみた。しかしいっこうにひるむ気配がない。姿はアシナガバチに似ているが巣の形態からしてモンスズメバチのようだった。

とりあえず刺激しないように放置してお勝手口から中へ。治療を終えた仏師のKさんが自分の道具を持ってきてくれ、いろいろ説明を聞く。その刃物の種類の豊富さから研ぎの具合まで、われわれとはぜんぜんレベルがちがう。

ちょっと落ち着いて昼食。イタル邸のオーガニックな素材で、リンダ嬢がつくるベジ料理を食べるのは幸せな時間である。

食後はMさんによるリーディング大会となった。Mさんはそもそも僕のやけどの傷の様子を見にきてくれたらしいのだが、なんだか他の皆はMさんの占いを待ち焦がれていたようで質問しまくり状態になる(笑)。

そのリーディングの特徴の一つは、姓名(漢字)を見るだけで対人の相性や今後うまくいくアドバイスなどを瞬時に言い放つのである。

僕は前回やけどについてだけでなくくちびるのオデキのことをMさんに話していたのだけど、今回「手術で切ることに決めた」ことを伝えると、

「切っちゃダメ、食事で治る」

と即答されてしまった。僕はもう一生分の美食をしてきたのだそうで、今後は植物食を厳格にして、乳製品・卵を含め動物食はほとんどダメ、とくに海産物の「タコ」と「チーズ」全般は超・厳禁だそうだ。

ついでにOリングで合う食べ物を細かく見てもらった。動物食で許されるのは貝類で牡蠣シジミだけ。魚はイワシのみOK。カツオもダメなので今後は鰹節も使うことはできない。卵は魚卵もいっさいダメだがうずらの卵だけはOKという。ナッツに何してはアーモンド以外が全部ダメ(くるみ、カシューナッツ、ピーナッツも×)。コーヒー、パン(小麦)もNG。

油に関してはバターをはじめ動物性油脂がダメなのはもちろん、オリーブ油やなたね油もダメ、OKなのはつばき油、ココナッツオイルゴマ油(太白油)だけ。米油もダメと言われてしまった。

甘味は精製された直接糖(黒糖や蜂蜜も)はダメだが、果物はOKだという。

ともあれくちびるオデキの原因は「腸」から来ているので(15年来のパートナーyuiさんは大腸ガンで没した)、腸をいたわる食事と生活習慣を徹底するように・・・そして内面のメンタル(幼少期のトラウマなど)も解放するように・・・ということだった。

ハチについて、殺虫剤を軒裏から噴霧するアイデアを伝えると

「それはハチがかわいそうだよ、もっといいところあるからそこ行きな・・・っていま念を送っているから・・・」

とMさんに諭されてしまった。僕もよほどのことがないかぎりハチの巣は壊さないことにしているが、家主といいMさんといい、生き物に優しくかつ太っ腹である(いちおうここはイベント会場の入り口なので/笑)。

山暮らしのときエンジン機器を使うのが、僕は本当に苦痛だった。チェーンーソーでなく手ノコで薪をさばいていると、鳥たちの囀りが身近に聴こえ、ふと手を休めると風に乗ってそのささやきが、鳥たちの祝福のように感じられる。その時間が好きだった。

「小鳥たちのために」

ハチたちが皆のリーディングを導いてくれたのかもしれぬ。


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