午後からGomyo倶楽部へ。有志4人で夕刻6時過ぎまで田んぼ作業。ここは小さな7枚の棚田になっている。全国有数の雨水の少ない香川県、水源は2つの沢から取っているほか、最後の手段はため池からポンプアップして確保している。
ため池は現在下流域の田んぼには使われておらず、もう何年もゆる抜きをしていない。しかしそれゆえ自然度は高く、水生動植物の宝庫である。コウホネが咲き始めた。
まずは畦塗りの手伝い。
途中から水路の掃除を。水底を隠してはびこったクレソンは適宜に抜き取り、澪筋を作る。あとは伸びすぎて水路の風通しを塞いでいる植物を風の草刈りの要領で高刈りする。一見雑然とした仕上がりだが、生き物たちの観点からみればこれでいいのである。水路の土の部分にはクレソンのほかフキが育っており、水だまりにはイモリやサワガニもいる。
あとはコンクリート法面の天端のきわに点穴を掘っておくとベストである。
その後、「風の縄文トイレ」のメンテナンス。周囲の草刈りで風を通し、水脈溝が埋まってしまったので中の割竹を取り出して掘り直す。そして竹の枝やササの葉などを挿入しなおす。
小型田植え機(2条植え)で田植え開始。
ここの棚田は狭くて曲線があるのでターン場所は植え終わりの位置など、あらかじめトレースを考えておく必要がある。
機械植えで抜け落ちたエリアは手植えする。しかし2条植えとはいえ機械はやはりラクで速い!
御田植え祭は5/30(日)に行う。それまでに神饌田以外の6枚を機械植えで済ましておくという寸法。神饌田は早乙女の手植えのセレモニーがあり、その後参加者全員でおごそかにイセヒカリを手植えするのである。
いまどきこんなに丁寧な畦塗りをしている棚田も珍しいだろうし、神主さんを呼んで本格的な「御田植え祭」をやっている会も珍しいだろう。自然は止まることがなく、繰り返しのようでいて毎年変化し、僕らの作業もステップアップしている。
重要なのは調和である。人が関わりながら自然との調和を保つということ。それはいにしえの人たちが里山と付き合ってきた手法である。だがすべて昔に帰る必要はないし、またそれだけの体力気力も僕らにはない。
機械や近代装置を適度に利用していいのだし、でも大地を人都合だけでいじり過ぎないようにする。その付き合いを繰り返していると、今まで見えなかったものが少しずつ見えてくる。
自然に対して謙虚に、この場所をお借りしているのだ、という気持ちを忘れずにいたい。生き物たちと敵対するのではなく寄り添う気持ち・・・すると自然が応援してくれるようになり、たくさんのものを与えてくれるようになる。
調和があると、ひとつのものが突出したり過剰になったりしない。自然のシステムが打ち消しあって、前進し進化していくのである。それはGomyoのフィールドだけでなく、山間部だけでもない。平地でも都市公園でも海岸でも同じことである。