生タコが安くなってきた。
写真のタコは小型のマダコを半割して内蔵を取ってあるもので、目方から逆算すると一匹が1kgに満たないサイズだが、これを自分で処理すると同じ値段のゆでだこの倍以上あり、しかも茹で時間を調節して柔らかく仕上げることができる。
私は地方都市に行くと必ず一度は青果市場と魚市場を見て回ることにしている
『丸元淑生のクック・ブック』(1987文藝春秋版)のタコ料理の項は、このような書き出しで始まる。そうして「全国の魚市場を見て回って気付くのは、わが国ではどこに行っても鮮度のよいたこが手に入るということである」と書かれている。
しかし、生のタコを普通のスーパーで売っているのは珍しいのではなかろうか? 市場では活けダコを青いネットに入れて酸素で生かしておき、それを一匹買いするのであり、それを茹でたものを小売りするのが通例である。あるいは、モーリタニア産が席巻していて地ダコがスーパーに入る余地がない所もあるだろう。
ところが瀬戸内地方では生タコが小分けして売られているのは日常の光景なのだ(中にはスーパーに生け簀があり青ネットで一匹売りしている店も!)。2kgもあるタコを一匹買いして食べきるのはちょっと大ごとだが、このサイズなら手頃だ。
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下処理は多めの塩をしてよくもみ洗いする。ぬめりが出てくるので水道で流す。これを数回。
とくに吸盤の中の汚れを念入りに取る。このときのアンモニア臭の強弱で鮮度が伺え知れる。これはあまり臭わなかったので浅く茹でてみたい。
鍋に湯を沸かして塩を少々入れ、頭をつかんで足先からちょんちょんと湯に浸けるように入れていく。
脚がくるくると巻いてくる。
どぼんと入れたら菜箸でタコが浮かないように押さえながら・・・
2分半くらいで引き上げ、すぐに冷水で洗い、冷ます。
足と頭を切り分けて、
ぶつ切りではなく、できるだけ薄くそぎ切りにする。
これで全量。砥部焼が合いますな♫ 浅く茹でているので柔らかく、ちょっと透明感の残るゼラチン質のところがまた美味しい。
これに米酢をかけて・・・
箸でざっとまぜて、かけたお酢は鉢を斜めに傾けて切ってしまう。つまり酢漬けではなく酢洗いなのだ。
こうして冷蔵保存しておけば、毎日酢洗いしながら3~4日食べ続けることができる。好みでわさび醤油で。もしくは酢が差し込んできたら酢ダコになるが、それはそれで美味しい(この酢ダコは、真っ赤に染められて正月に出てくる甘酢味とは似て非なるものである)。
もし鮮度が悪いようなら、もう少し長く茹でる(一般に売られている茹でダコのように硬くなる)。そうしてニンニクとオリーブオイルでアヒージョにするのも楽しい。
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▼「何を食べるべきか? オマージュ丸元料理本」2007/5/13
https://iroridanro.net/?p=18365