レンコンの煮方、よい食事のヒント


息を飲むような明け方の空の美しさに出会えるのも早起き習慣の特権である。ウチは東側に張り出した2階のバルコニーから海が見えるのでなおさらだ。まあ毎日こんな空と海になるわけではないけれど。

そろそろ直売場にミカン出る季節なので、ひと仕事終えてから買い物に行ってみた。柿も出ていたが、みかんも豊富にあった。規格外のみかんは安い。無農薬のあばたのあるものがとくに味が濃くて美味しいのだ。スーパーで売っている水っぽいものとぜんぜんちがう。

今年入手した鎌倉彫りの器、あの朱色に合うものがなくてただ空のまま飾っていたのだけど、買ってきた小ミカンが実によく合う。いつもは竹ザルに入れて出していたのだが、今年からこれでキマりだな♬

相変わらずの人人人、収穫の秋ですから・・・。レンコンやサトイモが安い。ついでにコンニャクも買って、3つ合わせた根菜の煮物を作ることにした。

レンコンは煮物にするとき煮過ぎないでさっとであげてしまったほうがいい・・・という丸元式のや方を、もういちど教科書でおさらいして、その通りやってみた。

「根菜は一緒に多種類を煮るよりも、別々に煮たほうが完璧な煮上がりになる。たとえば蓮根は、ぴったり4分煮て、すぐに鍋からとり出したほうがいいからで、その煮汁でまた別の素材を煮るようにすればよい。蓮根はあとで残った煮汁をかけておくと味が染みて、翌日にはもっとおいしくなる」(『続新家庭料理』)

火が通り過ぎずシャリシャリした歯ざわりがレンコンの身上。続いてコンニャクを煮、下ゆでした里芋を煮て、最後に合わせておく、というのが丸元式だ。

部屋に出し汁と根菜の匂いがこもり始める。秋の植物の香りを含んだ凛とした空気と混じり合い、この料理を作っていた昔の遠い記憶がよみがえってくる。

基本のだし汁をちょっと塩っぱく味付けし過ぎてしまった! サトイモの煮方も失敗して見た目が悪いけど、食べ出したら止まらなくなってしまい、気がつくと残りはこんだけ・・・。前回のきんぴらごぼうといい、どれほど身体が(腸内細菌たちが?)根菜を要求しているんだか・・・。

夜はもうひとつやってみたかったキャベツ料理。今回はピーマンとジャガイモを合わせる。レシピは『よい食事のヒント』(新潮選書2003)P.24「キャベツのカレー風味」より。

1)ジャガイモは塩を混ぜ合わせてから鍋に入れ、ターメリックとオリーブ油をかけて蓋をして弱火。

2)ジャガイモに半ば火が通ったらピーマンを入れる。

3)キャベツを食べやすい大きさに切り、塩を混ぜ合わせておき、ジャガイモに火が通ったら火を強めてキャベツを入れ、ターメリックを追加して蓋をして強火で2分加熱。

4)弱火にして蓋を取り、カレー粉を入れて上下を返し、蓋をして弱火。1〜2度蓋を取って上下を返し、キャベツに浅く火が通ったところで出来上がり。

「キャベツに対する加熱が適切であれば冷えてもおいしく、貴重な冷菜になる」とレシピは結ばれているが、「貴重な冷菜というのは、忙しい現代人のために簡単で栄養豊富、しかも保存がきいて美味しい・・・という料理を丸元淑生が追求していたからである。

『よい食事のヒント』は平成13~14年『東京新聞』の連載をまとめたもので「最新食品学と67のヘルシーレシピ」という副題がついている。写真や図版はいっさいないが、芥川賞候補にもなった文学者だけに、ムダのない研ぎ澄まされた文章でレシピ本としても価値がある。野菜から魚介まで、ものすごい情報量のつまった本である。

ビタ鍋をしてもちょっと鍋底に焦げ付いた。少し水を入れたほうがよかったかも。

ピチットしておいたヤリイカを解凍してトマトとアンチョビ味のパスタ。麺は今宵も80グラム!(笑)、そして途中でパセリを追加。パセリは無印の「バルブ付き琺瑯容器」保存は正解だったようだ。

昨日のマリネストックの残りでブナシメジをマリネにしておいた。美味しい・・・。身体のなかに渓流の清らかさが流れていくような・・・。

ただ、残念ながらサフランの黄金色は消えてしまった。あと、せっかく秋なのだから、天然のキノコで作ってみたいものだ。

明日はGomyo倶楽部の定例なので、直売所で天然物が入手できるかもしれないな・・。


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