2020.7上野原ライセンス講座/2日目


講座2日目、朝からスカッと晴れた。鶴川農道に向かう前に、倉庫前の駐車場の水脈整備について矢野さんのレクチャーが始まる。ここはすでに縦横に水脈が入っており、コルゲート管も組まれているのだが、数日前の雨で水たまりが引かなかった。メンテの追い方が浅かったようだ。

そこを移植ゴテで掘り返しながら・・・「ミクロもマクロも相似形、これに尽きる」と矢野さんは言った。日常的にケアできないとぬかるみとアク、ヘドロがたまっていくが、わずか5分の手間を継続・持続させることで気水脈は息づいていき、そうすれば日々深まる一方で後退することはない。

ケアする度に大地が育っていき、だんだん手間が少なくなっていく。もちろん水脈のライン取りや深さ・幅、そして有機物と水脈との比率など、そのノウハウを細かく表現するのは難しいが、それは誰しも持っている「生きるための感覚(五感)」に従えばよく、それはメンテを繰り返すたびに鋭敏になって見えてくる。

ふたたび鶴川の農道へ。入り口付近はまだぬかるみが残っていた。皆の車は先に進んでいたが、このぬかるみを放置したまま、何台もの車がここを往復すればわだちはさらに深くなり、転圧もかかって、縦浸透する大地への再生は難しくなる。「ここのぬかるみを見逃して先に進んでしまうようではライセンスの上級はあげれないよ」矢野さんは皆にピシャリと言った。

皆でわだちの復旧作業に入る。わだちが深くなると、また排水場所とのレベル差があると水切りが不可能な場所が出てくる。そんなところは手箕をあてがって移植ゴテで掻き出すように水を動かしてさらい出していく。しつこく全部水を取ろうとする必要はない。

それができたら枝葉などの有機物を入れていく。

そして炭・チップのグランドカバー。

砂利を積んだトラックが到着。荷台を開け、バックしながら人力で手分けしてスコップで振りまくようにまいていく。

砂利がまかれた後に有機物の枝葉が飛び出していればそれを切っていく。

昨日、矢野さんが帰るのを遅らせて最後までねばって作業していた箇所はどうなっているだろうか?

ぬかるみが消えていた。水路と道とがくっきり分かれている。「大地の再生」の仕上げは雨風がやってくれる。「雨降って地固まる」まさにそれを見るようだった。

トラックはもう一回砂利を取りに行った。昨日のぬかるみの道とは思えない仕上がりになっていた。それもただ砂利をまいただけではない、水脈処理をして有機物が仕込まれている。

砂利トラックが戻るまでの間、皆で田んぼに行ってレクチャーを受ける。

土が水比率が多い湿地環境になっていると、イネはそれによく順応する。ここでの田植えのようにランダムに乱れ植えされていると、除草機の田車(たぐるま)などが入りにくくなるが、湿地環境になっているとそれだけで大くの雑草は衰退するので初期除草の手間が省けるのである。

ただし、より重要なのは畦(あぜ)の草刈りである。

畦と水面のきわに風がよく通るように留意して刈っていく。

奥にある畑(大豆が植えてあるがかなり雑草が勝っている)でもきわの草刈り。

ここで砂利トラックが戻ったので再び農道の砂利まきと仕上げへ。

最後にグランドカバーがまかれると砂利道とも何ともつかない、不思議な光景となった。

これにて組織再編されるという、記念すべき位置の講座だった。完成した農道にて皆で記念撮影。

午後は今後の「大地の再生」の展開について議論がなされた。各支部のまとまりで班わけされ、意見交換。その後、感想会を経て、私の施工マニュアル・イラスト集が配られた。まだラフ案で下書きの状態であるが、一区切りということで中間報告としてまとめ、皆さんにお配りしたのである。

明日、もう1日上野原講座は続くが、私は次の別口の取材に向けて夕刻車で出発した。


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