荒れ地を部分開墾して始めた畑。2年目の夏を迎えようとしている。
なにしろ畑の経験は北関東だったので、いきなり讃岐の夏はあまりに違い過ぎて戸惑ったものだ。
真夏の雨の降らないときでも、畑には乾燥に強いスゲ類や、多肉質の雑草が元気いっぱいである。驚くのはあのみずみずしいツユクサが畑の雑草として育ってくることだ。
おそらく栽培植物は、彼らに水をかなり奪われるはずで、群馬のときのように、雑草と接近して共存は難しい。ここでは周囲の雑草は排除し、地表をマルチで蒸散を防ぐ、というのが正解なのだろう・・・というような感想を、私は昨年の畑ブログで書いている(2015/8/3「讃岐の水やり」)。
というわけで今年は、栽培植物の周りだけはしっかりと除草し、マルチも始めている。
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冬越ししたミツバがよく育ってきた。
ミツバはセリ科なのでキアゲハの幼虫が食害を始める。が、これも数日でいなくなる。カエルが食べるかアシナガバチなどの天敵昆虫が持ち去ってしまうのだろう。
雑草の排除についてだが、栽培植物ぎわの雑草は引っこ抜くと根周り土ごと持って行かれ、土も微生物も消耗するので根際で刈りたいのだが、普通のカマではその細かい作業がやりづらい。栽培植物まで切ってしまうことがままあるのだ。それに草を押さえる左手の指先をよく切る。
そこで、今年からは高知で見つけた土佐刃物の小さなカマを使っている。が、これも左手の指を切ることがある。
で、最近出会った方法がコレ。↓小さなのこぎりカマである。これで、根際を引っ掛けるように切る。切っ先を地面に突っ込むような角度で入れれば、左手はまずケガしない。「自然菜園」シリーズ本を書かれている竹内孝功さんが推奨している方法である。
土をかき回すので、使ううちにノコ刃の切れ味が落ちてくるが、ノコの目立用ダイヤモンドやすりで目立てすれば刃が戻る。
のこぎりガマで雑草の根際を切れば生きた根が残り、雑草は枯れずにまた再生してくるが、少し深めに成長点を切れば枯らすこともできる。ただ周囲の雑草すべてを根絶やしにする必要はない。雑草の根が土づくりに重要だし、小さなヤブが天敵の隠れ家として機能するからである。
この根際には、ミミズなど土壌生物が多く生息しており、彼らを痛めつけてしまうことがあるので気をつけないといけない。
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刈草の山に生ゴミを入れながら堆肥にしているのだが、より効率のよい堆肥づくりを一山やることにした。フォークで切り返しながら水をかけ、中に米ぬか、魚かす(イリコや鰹節の出汁ガラを冷凍保存しておいたもの)混ぜて山に積み、ブルーシートをかけておく。
もう夏野菜のマルチも始めている。
サトイモは湿地帯のイグサの根の開墾があまりに大変なので、穴を掘って部分植えし、周囲に刈ったイグサをぶ厚くマルチしておいた。昨年の刈草の山の下ではイグサは消滅していたので、分厚いマルチは効果的ではないかと思う。
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畑とは関係がない空き地の雑草も徹底除草はしない。わざとまだらに刈る。カタツムリやスズムシやバッタ、そして昆虫を食べるカエルやトカゲなどの生息域を残してやりたいのだ。
また、吸密植物はバランスよく残す。チョウやハチたちのために。
こうして虫や鳥たちと交感しながら、私たちの情報がこの地に積み重ねられていく。
これが地球に生きる喜びでなくてなんであろうか?