朝から社長が道具持参で手伝ってくれ、暖炉囲炉裏の「囲炉裏」部分を作る。暖炉の基壇は長方形、囲炉裏のサイズは6角形なので、その間をうまく埋めねばならない。窯業系のさんとう板を切って床に敷き、ALC板(発砲コンクリート)を壁にして囲炉裏を立ち上げる。
6角形の作図はアドビのイラストレーターで。昨年暮れにCreative Cloudを導入したのだが、最新バージョンのイラストレーターは線の長さがとても出しやすくて便利だ。
ところが、大事な部分を寸法間違えし、一度切ったパーツを作り直し(社長スマン!)。
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暖炉基壇の長方形を原寸で合板で作り、それに沿わせてパーツを合わせていく。最後は寸法ではなく現場合わせが一番だ。
ところでALC板は中に細い鉄筋が入っており、電ノコで切ると鉄のところの振動で、コンクリート部をはじき飛ばしてバリを作ることがままある。
結局、金ノコを使って手切りしたほうがずっと正確で早いということに、最後になって気づいたのであった(泣)。
午前中かかって、ようやくできた。
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左官屋さんは玄関回りの仕上げ。
左官という仕事は見ていると実に地道で細やかな作業の連続なのである。塗ってから乾かす・・・という時間の流れ。それだけに、出来上がった仕事は強固でいて、目に優しい。
最後の仕上げ、「洗い出し」の作業は月曜にやるとのことだった。
午後から棟梁が来て床柱の仕上げ。それから、玄関の手すりを作ってくれていた。これは私の後からの注文でいわばオプションなのだが、この板はトイレのカウンターに使ったトチノキの端切れの有効利用なのである。ルーターを使って持ち手を加工してくれている。
大工の仕事は今日がおおかた最後になる。棟梁には本当にお世話になった。床の養生をはがしてからでないと全貌は見えないが、予想以上にすばらしい家になったと思う。
この家づくりは丹精な仕事をする様々な職種の職人さんたちに恵まれたが、全体としてはひとえに寡黙な棟梁の腕の冴えに統率された、ということがあったのではないだろうか。仕事とは、チームとは、そういうものである。
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空いた時間を使ってイチジクを植えることにした。
道の向こうの桜が咲く頃には、イチジク芽吹きがみられるだろう。
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帰りに西宝町の「丸二陶料」で粘土を買った。
信楽の陶土だ。囲炉裏の内塗りに使う。