「焚き火ぐらしキャンプ@奥永源寺」2日目/泳ぎと焚き火


翌日、雨が上がった。カレーの残りで朝食を食べて、さっそく川へ。でも、皆は増水していることもあり、足を濡らす程度で躊躇していたらしいのだが、あとから村長の僕がジャバジャバと流心へ入っていき、淵で気持ちよさそうに泳いでいると、皆んなも釣られて泳ぎ出すのだった(笑)。

僕の子供の頃は、夏の泳ぎはもっぱら自然の中だった(プールはカルキ臭くて不潔な感じがしてキライだった)。海なら太平洋の荒波へ、川は那珂川の流れの早い中流域で、猟犬といっしょに泳ぎまくっていた。父はスパルタだったから、でもぎりぎりの危ないところは目配せしていたのだと思う。

8月とはいえ川の水は冷たい! 1時間もすれば子供たちも陸に上がりたくなってくる。

焚き火をたっぷり用意しておいた。真夏のキャンプでは、昼間の焚き火は暑すぎてうっとうしいときもあるのだが、冷えた身体にはこれほど極上のものはない。

ほえ〜〜、焚き火さいこおぉぉ〜〜、と子供たちw。この3又のいいところは、こうして料理を続けながらも(小豆を炊いています)円形に集まって火に当たることができること。つまり、囲炉裏に最も近い形態なのである。

おやつはカボチャの素揚げ。この位置には大きなキャンプファイヤーの跡があったのだが、その石組みをちょいと変えて、小さな外カマドを2個作っておいた。

もう片方で米にもち米を混ぜたものを炊く。

炊けたら棒で搗く。おはぎにするらしい。

その間、村長は包丁研ぎをするのであった。皆の包丁が、あまりに切れなさそうなので、トランクの中からナタ・カマを研ぐ砥石を引っ張り出してきたのだ(笑)。しかし、ステンレスの刃は研ぎにくい。とりあえず荒砥で刃が立つ程度にはしておいた。

おはぎ完成。小豆など豆類は、薪火でやると実にいい感じで火が通る。このおはぎ、実に実に美味しかった!

午後から紙芝居を始める。私のオリジナル作品『むささびタマリン森のおはなし』。ギター弾き語りのオリジナルテーマソングもついている。その後は大人の部でプチ講演会。囲炉裏と薪火について、人工林の問題から家づくりまで、と幅広く。そして著書の販売とサイン会。

その後、夕食までの間、竹で果物刺し(フルーツピック)を作ってみた。節のところを摘みの滑り止め、アクセントにする。和菓子を食べるときのフォークにも使える。実は昨日も1日だけで帰るというお客さんにいろいろ竹で作ってあげたらメチャ感激してくれたので、ちらっと作るところを見せたら・・・

「それやってみたい!」とやっちゃんが刃物を奪って(笑)すぐにのめり込んでしまった。竹は不思議な魅力を持った素材で、硬質なのに割裂性がすごく高いという相反する性質を持っている。「わたし、これ好きかも〜」と削り続ける。

竹細工というと「籠編み」と誰しも思うのだが、実はあれはかなりハードルが高い。編む前の「竹ごしらえ」がかなり難しいのである。でも、こんな日常品なら(これはおろし金で使うスクレーパー)簡単に作れるし、なにしろ機能的で美しい。しかも材料費はタダだ。

残ったおはぎ用のもち米で五平餅みたいなものをやりたいというので、端材の薪の中から柾目のスギを見つけてそれで割木の平串を作って米を巻いてもらった。

竹串だと滑るが、スギは吸い付きがよく、また米に移る匂いも香ばしい。軽く熾火で焼いてから、カシューナッツの砕いたものを混ぜた甘味噌を塗って焼くという、たむたむ畑のお母さんのアイデアで素敵な一品ができた。

子供たちは夜の焚き火でマシュマロを焼くための竹串作り。その気持ちのよい割れ方に、どんどんハマっていく。そして自作の串で焼くというのが、またいい時間なのである。

でも今日の夜はちょっと焚き火は暑かった。もう村長が離れても、皆が十分に火の取り扱いができるようになっている。

というわけで火から離れてビールを飲んでいると、鶏のたたきが出てきた。これがめちゃウマ! 守山に放し飼いの鶏肉を売っている店があり、そこの胸肉だそうだ。その日にさばいたものは中が半生のたたきで食べれるという。これが炭火焼なのだから美味いに決まてっる!

ワインは地元のヒトミワイナリーの「エガリテ」赤。ヒトミワイナリーは大阪のアパレル会社「日登美株式会社」の創始者・図師禮三が、1991年に故郷の永源寺に立ち上げたワイナリー。バーナード・リーチの陶器を収集家でもあり、近くに美術館もあるそうな。

美味しい地元ワインと極上の肴。今日は久しぶりに川泳ぎができて僕も嬉しかったな・・・。そしてかわるがわる、参加者の皆と話ができた良い夜だった。


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