家を建てる前、この土地には車を置かせてもらっていた。つまりここまで自転車で通っていたわけだが、途中のひなびた旧街道に和菓子店があって、そこだけいつも買い物客がいるのであった。
よほど美味しいのだろうか? 引っ越してから私たちも行ってみることにした。
入ってみると店内は奥に意外に広く、ガラス越しに坪庭を見ながら抹茶を飲めるイートインコーナーまである。お使いものを買ったついでに、店の看板和菓子をそこでいただいてみた。
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というわけで、それ以来こちらの和菓子を食べる楽しみを覚えてしまった。これは店の名を冠した銘菓「芝山」。
五色台の伝説の「牛鬼」をモチーフにした和菓子。
「芝山」の断面。白あんにほんのり洋風も加味されたもの。
「牛鬼」は黒あんにザラメのようなかりっとした粒が配された食感が楽しく、それが牛鬼を想起させる。
今日は私の家のテーブルで、煎茶でいただく。
萩焼の急須。現地、萩市内の陶器屋で購入したものだ。
私は覚えていないのだが、同行していたyuiさんによれば、買うかどうかさんざん迷ったあげく一度は店を出たのだが、きびすを返して店に戻り、購入したのだそうなw。
菓子楊枝がなかったのでむかし山で作ったバターナイフで切ってみた。
ヤマザクラの枝をナイフで切り出したもので、皮付きになっている。
反対側はさじに彫ってあるのだが、焼酎カクテルのマドラー代わりに使っていたら割れがきてしまった(^^ゞ
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関西の茶の文化は深い。町中にも郊外にも観光地にも抹茶をだす飲食店・喫茶店がけっこうあるし、市井のなんでもない人たちがその抹茶をごく自然にたしなみ、また日常の煎茶を愛おしく飲んでいるのをみる。
それは町中に和菓子屋やお茶専門店が多いことでも感知され、図書館に行けば茶の湯の本のスペースが関東と比べようもなく多いことでも解る。
東夷(あずまえびす)の私はこの西の茶の文化の深奥さにカルチャーショックを受ける。だが、私もまたそのような飲食の美学はけっして嫌いではない。
いずれ茶道具をそろえ、家で抹茶を点てよう・・などと計画中♫
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そういえばここの「桜餅」はとても美味しかった。