きっかけ
私が東かがわ市の五名(ごみょう)地区の棚田と溜め池に通いはじめたのは2014年の3月。きっかけは、私が四国に来たことを知った私の書籍ファンである高校教師N先生からのメールだった。
その里山で、工事に邪魔なヒノキを伐採したのだが、その処理や使い方のアイデアを教えてほしいという。
行ってみると水性昆虫や魚類、植物など四国でも珍しい動植物が残る場所で、平成16年の台風で土砂流失の被害を受け、大掛かりな補修工事をやっている最中だった。
工事とはいえ環境省のレッドデータに記載される希少種が多数いることから香川県で初めての「環境保全型事業」が採用され、棚田は再整備されて溜め池は残された。
どうして維持が必要なのか?
水性昆虫を絶滅させないためには、採集圧をかけないことや溜め池の保全はもちろんだが、上流にある棚田で米を作り続けねばならない。なぜなら水田の雑草がある種の昆虫の産卵床になるからだ。
もうひとつ、里山は常に伐採と収奪を繰り返すことで生態系が維持されてきた。放棄すればたちまち草だらけツルだらけ、竹は密集、雑木林は暗い森に変わっていく。
それらの手入れをすべて週末ボランティアの力だけでやるのは容易ではない。だけど、ここまで維持してきたのだからなんとか継続するアイデアはないか?
朗報は農業高校の生徒さんたちが早乙女姿で田植えをする御田植祭というセレモニーが行なわれるようになったことで、それをきっかけに高校生たちが棚田の収穫まで関わるようになった。しかし棚田を守るには周囲の里山も保全する必要がある。
交付金を利用して会を立ち上げる
私は上流の荒廃竹林がどうしても気になった。ここにはユキモチソウという珍しい植物が群生しているのだが、枯れ竹で被圧されている。ユキモチソウは関東では見られない四国を象徴する植物だ。
里山オーナー制度を紹介してくれた高松市のMさん(この方も私の読者である)が使えそうな助成金を紹介してくれた。林野庁経由の「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」というもので、春頃からその申請を準備し、メンバーと打ち合わせを繰り返していた。
山主さんに会って活動の了解をもらい、会の規約を作り、4月発足。交付金の申請も通った。会の名称を「Gomyo倶楽部」と名付け私が代表になり、6月19日を第1回目の活動日とした(雨で流れ、翌週の26日に繰り越しになった)。
以後毎月第1・第3日曜日を定例活動日とし、現在に至る。交付金の約束は年間0.3haの竹林整備と観察会・ワークショップの企画である。
新しいブログを立ち上げる
7月下旬にこのブログを立ち上げたが、Gomyo倶楽部は別枠で新たなブログ作り、これまで私個人のブログに「棚田と里山」というカテゴリで書いてきた記事はこちらに移動することにした。
ブログはレイアウトを本ブログと雰囲気を変えて、WordPressの別テーマで起こし、ドメインgomyoclub.netを取得。今後はメンバーと話し合って内容を充実させていきたい。また、このブログで参加者を募集したり、イベントの詳細を告知・報告したい。
▼こんな感じのトップページです。
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四国に来てまさかこのような会を立ち上げ、代表を務めるとは思いませんでしたが、Gomyo倶楽部のフィールド、本当にすばらしい所です。今後とも、ご支援ご指導をよろしくお願いいたしますm(_ _)m。