Gomyo倶楽部のブログを作り込んでいる。
これまでおおっぴらに書かなかったが、実はGomyo倶楽部のフィールドにはトンデモない水生昆虫がいるのだ。
ゲンゴロウとタガメである。
どちらも全国的に絶滅危惧種であり、マニアや昆虫少年のあいだで人気の高い横綱昆虫である。
これまで私の旧ブログでの活動報告にはこの辺りの情報はにごしていた。業者やマニアの採集を恐れてのことである。
だが、15年に渡ってこの地に関わり続けてきたH氏は、公開していいという。私もそうは思うが、そのためにもGomyo倶楽部しっかりした組織であることを、ブログで表現しておかねばならない。
いま図書館で資料を借りたり、自分の本棚から関係本を取り出し、急いで勉強をしているところである。
平成13年(2001年)に香川県環境局が発刊した『水生昆虫保護管理マニュアル』にはゲンゴロウは香川県下では標本は1個体だけ、白鳥町の谷池で確認された、と書かれている。
タガメにいたっては
現在四国では、愛媛県の南部のごく一部の地域と徳島県の伊島での生息が確認されているだけです。香川県では絶滅してしまった可能性があります。香川県の記録は、ゲンゴロウと同様、昔はため池などに普通にいたためか生息記録が全く残っておらず、標本も豊島弘氏採集の国分寺町の標本が1個体あるだけです。
というのであるから、Gomyo倶楽部のフィールドのため池と棚田がいかに貴重であるかが解る。
ため池の密度が日本一の香川県では、かつて大量に見られたにちがいない水生昆虫、昔は普通にいたゲンゴロウとタガメがなぜ急速にいなくなってしまったのか?
これはいくつもの原因が重なっているのだが、
1)強力な農薬の使用(DDTやBHC)
2)水田環境の変化(基盤整備と乾田化)
3)外来魚の移入による減少(ブラックバス、ブルーギルなど)
4)光害(蛍光灯や水銀灯が誘蛾灯となり悪影響を及ぼす)
5)イネの栽培時期の変化(早生系イネの栽培が盛んになることで水の入る時期の変化に水生昆虫がついていけない)
などがあげられる。
ゲンゴロウとタガメはため池だけに依存するわけではなく、田んぼを重要な繁殖地としている。たとえばゲンゴロウは田んぼの雑草に産卵し、幼虫は田んぼの水の中でエサを求め、畦の土の中でさなぎになる。
除草剤を使う現在の田んぼでは生きられないのだ。また栽培の都合で田んぼの水を抜かれたら、まだ羽根を持たない幼虫はひからびてしまう。
結局、ため池を保全するだけではダメで、近くで昔ながらの無農薬の稲作を続ける必要があるのだ。
彼らは成虫のとき飛翔する羽根をもっているので、生息域がダメになりそうなら自ら移動することができるのだが、それには周囲に小さなため池と無農薬田んぼを点在させ、コリドー(回廊)を作ることが望ましい。
これは地域ぐるみで意識しなければとても達成できない。が、これでゲンゴロウやタガメを安定的に増やすことができるなら、聖域として全国的に注目される場所になるのは間違いない。
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Gomyo倶楽部のブログのメニューバーにため池の生き物を加えてここに現地のタガメの写真をアップしました。かなりの衝撃画像です!
他にもここ数日で【会発足まで】【植物たち】【Gomyoグルメ】【参加者募集】
と全部で五つの項目を載せたので、Gomyo倶楽部のブログ、ぜひ見てください。