バターピーナッツを作る


喪中ハガキのリアクションがメール・電話・手紙と、様々な形で全国から返ってきて、ありがたいと同時に、思い出がよみがえってメランコリーな気分にもなる。図書館に行ったらケヤキ並木の落ち葉が舞っているのをみて、なんだかその気分がさらに増幅されてしまった。

この落ち葉の光景に、ふと魚河岸でバイトしていたときのことを思い出した。東京でイラストの仕事がまだ軌道に乗らなかった頃、年末になると築地市場でよく働いていたのである。築地は年中人手不足で募集をかけているが、たいがいどこの店でも、年末のバイトを皆勤するとボーナスがもらえる。

早朝の電車でアパートを出、地下鉄に乗り換えて築地本願寺のところで階段を駆け上ると、びしょぬれの歩道に鮮やかな落ち葉が張り付いている。それを見て「ああ、奇麗だな・・・」と足を止めた。すぐ目の前に過酷な労働が待っているというのに、この美しさに見とれてる私がいる。そんな私は、いやそんな私だからこそ、アーティストとして絶対に成功するのだ・・・と心の中でつぶやいていた。

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今日はバターピーナッツを作ってみた。炒った落花生の薄皮を剥いて、

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バターはこのくらい?

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フライパンでバター炒めする。塩をふる。

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熱いときはしんなりしているので冷ます。冷めるとカリカリに戻る。

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んんん、これがなかなか美味い! 市販のバタピーとは似て非なる味。この日のために久しぶりにスコッチウィスキーを買っておいたが、こりゃ食べ過ぎに注意せねば・・・。

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築地のバイトでは鮭のウロコ引き、ロブスタ-のひげ切り、スミイカの解体などをやったが、解体後ゴミとなる鮭の頭やエビの頭やスミイカの足(ワタ付き)などを貰って帰るのだった。それを翌日の弁当のオカズにしていたのだから、もう自給自足の世界なのだ(笑)。

そのうちトラックの運転をまかされ、当時はペーパードライバーだというのに銀座4町目の交差点から国会議事堂の前を通り、赤坂や新宿のホテルにひとりで魚を運ぶはめになってしまった。が、最後までなんとか続けることができ、皆勤賞もめでたく貰って、

「またいつでも来いよ、イラスト!」「稼いだかい? テツガクシャ!」

などと言われながら店を後にした。イラストで食えないからここに来ているのがバレたのと、ひげの風貌から哲学者と呼ぶ人もいたのだ(笑)。

あの築地も無くなるんだね。さて、次回は蜂蜜を使ってピーナッツバターを仕込んでみるかな♬


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