森のちから、ウドカレー


仕事が忙しいのか珍しくY氏がやってこない。午後からY先生のお見舞いに藤岡に行くことにした。お土産はウドの味噌和え、とウルイの胡麻和え。ウルイとはユリ科のオオバギボウシの若葉(芽)のことである。アトリエ敷地にあまりに密集してはびこったギボウシを整理(間伐)していたのだが、食べるには大きくなりすぎだが、柔らかそうなところを茹でて胡麻と出汁醤油(自家製)で和えたのだった。ぬめりのある食感が独特。ウドは下部の茎の皮を剥き、中の白いところを細い乱切りにして味噌で和える。香り高くすばらしい逸品。せっかくなので神川の「日本のうえん」Hさん宅にもお届けし、卵を買う。

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Y先生は快方に向かい、あと一週間ほどでこちらに戻れると聞き安心。食料とトマト苗を買って帰還。さっそくトマトを植えスギ枝の支柱を立てる。トマト苗は合計7つ。スギ枝の支柱はスパイラルに湾曲していて、なんだか宮脇愛子のピアノ線オブジェ「うつろひ」みたいになってしまった。

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様々な花が咲いている。アトリエ敷地は適度に草抜きし、手鎌で草刈りをして、微妙なバランスを保っている。草を刈るときも、残したい植物は残して刈っていくのだ。これは手鎌だからできることである。秋に目星をつけていたクリンソウの株が冬枯れし、春に小さなロゼットを地面からもたげ始めた。その株をひとつひとつ発見しては残していき、周囲の雑草を抜いた。そしてお客さんや郵便配達のおじさんに踏まれないように石で囲った。その場所はいま、花壇のようになっている。放置された敷地の多くはつる植物でマント群落がつくられていたが、それを徹底的に刈った。陽をさえぎられて気息奄々としていた植物たちが息を吹き返し、この春に旺盛な成長をみせた。

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一年を通して植物の変遷を見て、さらに来年はどんなふうに利用し、美しく仕立てていくか、が楽しみである。畑の収穫は、多くを望む必要はない。今の季節、有り余る山菜がある。旬の採りたての山菜の味は鮮烈だ。あれほど魚が好きだった僕がここでは欲しなくなった。生まれたての水と、薪火の力と、野草の鮮烈さのおかげだと思う。

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夜はカレー。豚肉、新タマネギ、ニンジン、ジャガイモの他に、ウドの皮を入れてみた。残り物3種のカレールー。それにS&Bの赤缶。ショウガ、ニンニク、ターメリック、ブラックペッパー、ローリエ、クミン、最後にガラムマサラ。甘みの調整に蜂蜜を使う。この季節は煮込みすぎないカレーが美味しい。「このカレーなら3日続けてもイイ!」と、ハーブ・スパイス大好きの相方はお替わりで完食。

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