フキとチャーハン


Y先生やイタルさんの指導のもと、ド素人の僕らが見よう見まねでやってきた畑仕事。それは敷地の整備と歩調を合わせて進んでいった。なにしろ、2年ほど放置された場所だから、雑草・灌木刈りから始めねばならなかったのである。小石の多い傾斜地の畑という特殊性に加えて、この畑敷地がかつてどのような使われ方をされたのか? という問題もある。

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周囲の様子から推察すれば、おそらく化学肥料や農薬、除草剤も使われた歴史があるだろう。自然農を目指す僕らは薬物を使ってまで収穫を上げようとは思わないが、それでも残留する物質の影響を逃れるまでは、相当の年月を必要とするだろう。

有機農業と一口に言っても、厳密にいえば他所からの家畜の糞尿を持ち込み堆肥化して畑に投入する場合、その家畜がどんな飼料を食べているか問題になってくる。海外からやってくる穀物飼料には遺伝子組み換えやポストハーベストの問題があるだろうし、飼育の過程で抗生物質などの薬剤を投与されることもあるだろう。有機物だからといって油断がならないのである。

純粋にそれらをクリアーしたとして「除草や耕転が本当にいいことなのか?」という問題にも突き当たる。アトリエ敷地の畑は、およそ半分を耕し、半分を雑草地帯(無耕転自然農地帯)として残してある。雑草地帯も半野生のウドや青ネギが生えているので、草刈りによって多少の手は入れているのだが、ここで草を刈るときに、いま多くの昆虫をはじめとする生き物たちを観察する。野鳥が飛び交い、ノウサギの糞を見、石垣にはカヤネズミと天敵のヤマカガシやシマヘビが住んでいる。

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目的作物以外は徹底して排除する土が露出した「完全農地」は、生き物の数がきわめて少ないので、この緩衝地帯ともいうべき「半農地」がとても大切な場所に思えてくる。しかし、篤農家とよばれる人たちは、この場所でさえ徹底して除草してしまう。畑に雑草の種が入ることを嫌うからである。

3月のジャガイモの植え付けからスタートし、無我夢中で土と雑草にまみれ畑仕事に没入して、あらためて敷地を見渡してみる。そして火を焚きながら、もういちど自然農のバイブルとして名高い川口由一の『妙なる畑に立ちて』を読み返してみる。

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今日はその半農地にトウモロコシ、シソ、カブ、ツルムラサキを植えた。種を植える場所だけ手鎌で雑草を刈るというやり方である。畑を耕したときに出た灌木や雑草の類を小山に積んでいたが、それが堆肥化し、枯れた草が敷きワラ代わりに使えそうだったので、インゲン・チンゲンサイ・ニンジン・オクラ・ネギ・シュンギクの畝間にマルチを施した。

ふと「ここで小さな棚田が作れないかな?」という気持ちが湧いてきた。沢に囲まれたアトリエ敷地なら可能性はある。アオスジアゲハを見た。冷蔵庫からウドの味噌漬けを取り出して食べる。

水源までの道の草刈りでフキを刈ったのでそれも調理。やや長めに茹で、皮を剥いた後、オリーブオイルでさっと炒めて出汁醤油で味をからめる。

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シュンギクの間引き菜をさっと湯がいたものも食べてみた。それぞれ成長は悪いけれど、驚くほど深く濃い味がする。

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チャーハンもつくる。焚き火で中華鍋をあおりながらパラリと仕上がる焼き飯は最高だ!

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その後はのんびりとお茶。読書。

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台所の近くにシソを植えたのだけど、やけに育ちが悪く、間引いた生葉を食べると苦い雑味がする。ふと、過去の除草剤の影を感じた。そこで、今日はシソを蒔き直したのである。ミョウガが15cmほど芽を出している。タイミングを見計らって草を刈っておいてよかった。温存しておいたクワの木とサンショウの木が結実。

夜は原稿書き。締め切りを過ぎた仕事もある・・・。


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