イラストマップの本描きが片付かない。そのうちに集落の定期総会の日がやってきてしまった。どんなに忙しくても、この日ばかりは出ないわけにはいかない。午後から会場の分校跡の建物へ。今回、鬼石町が藤岡市に合併することで、いろいろと決まり事が変わったりする。人事の取り決め、そして会計報告があって終了後は宴会となる。
今回、相方が会計の書類を手伝ったこともあってか、イタルさんがわざわざブランド焼酎を1本別口で買ってきてくれ、宴席でがんがん注がれてしまう。仕事で寝不足の上に(この日も昼までみっちり格闘してたのだ)、昼から茶碗で濃いめの焼酎のお湯割り。うーん効く効く・・・。しかし、ここぞとばかりさりげなく山村ネタ取材にまわるのであった。
夕刻、イタルさんとは義兄弟にあたる同じ集落のSさん宅によばれる。薪ストーブにあたりながら、また焼酎。初めて訪れたSさん宅はアトリエとほとんど同じ造り。なんと大工さんが同じ人なんだそうだ。今年84歳のSさんは、イタルさんの農作業の手伝いにやってきたときに何度か僕らと接触していた。しかし、敷地の薪の量とその積み方に圧倒される思いだ。なんというか、現役の山村人の佇まいには有無を言わさぬ迫力を感じるのである。
「酒はあるんだ。いつでも遊びにきな」そうSさんは何度も僕らに言って、おだやかに笑った。