粕川へ


宮城県の冬水田んぼに作った看板に貼るイラストがようやく完成。メールで送れるか? と思ったら、データが50MB以上ある。なにせ4色の画像EPSデータ、さらに手書き文字をTIFでとりillustratorで貼付けるという凝りようだ。というわけで結局CDに焼いてヤマト便。それでも朝9時までに鬼石の集荷センターに届ければ夕刻に都内に着く。

その足で前橋へ。朝食兼昼食をとり、さて今日はどこの温泉に行こうかな? といういつものパターン。さすがに徹夜明けで草津までのドライブはキツい。気になっていた赤城温泉の「御宿総本家」に行くことになった。ここのご主人東宮さんは、昨年の僕らの高崎個展に来てくれて食事までごちそうになってしまったのだ。

カーナビで途中に「粕川歴史資料館」が見えてそこに立ち寄ることにした。養蚕の道具が豊富に展示してある。前橋周辺は古墳が多く土器や埴輪が数多く出土している。藤岡歴史館の収蔵品にも驚かされたが、ここも大きく美しいものが置いてあってしみじみと見入る。粕川周辺が古代の一大聖地だったことに奮えるのである。しかし、ウィーク・デイ、僕らの他には誰もいない。

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粕川といえば前橋県庁のイベントで偶然お会いして、その後一升ビンを持ってアトリエまで遊びに来てくださったヤーコンづくりのIさんを思い出した(商標のイラストを頼まれてるけどまだできていない、スイマセンIさん・・・)けど、温泉宿の東宮さんと一緒に個展に来てくれた「近代田舎創造社」の田胡さんちもこの辺だ。住所録からカーナビにセットすると、赤城温泉へ向かうちょうど途上。

高崎個展でお会いしたとき、僕が描いた群馬の古建築シリーズをみて「おう、レーモンドがある」と田胡さんの目が光った。名刺を受け取ると「近代田舎創造社」とある。木造建築をかなり手がけているらしい。そして、

「生木をチョウナではつり、構造材とする。乾燥すると当然ねじれるが、それで締まるように組んでしまうのよ・・・」

なんぞという一言に僕らは、目が「・」になった。チョウナを現役に使っている人がいる! いずれ行かねばと思っていたのだ。

ちょっと迷ったが看板をみつけた。雑木林のなだらかな斜面に迫力ある建築が何棟か並んでいる佇まいに「あっ、ココだぁー!」とYKと口をそろえる。敷地にスタッフらしきおじいさんが作業中だったが、田胡さんは不在。許可をとって敷地や建物を見学させてもらっているうちに、連絡をとってくれ、近所に出向中の田胡さんが戻って来てくれることになった。

アメ車のトラックからアウトドアファッションをまとった田胡さんが降りてくる。その事務所でお茶。うひゃ、この建物もすごいぞ。ファサードは土壁のドームに鉄柵のドア。テラスは竹を並べたものだが、そこから立ち上がる壁は軽量鉄骨+ガラスの構成だ。ロサンゼルスのチャールス&レイ・イームズ自邸のような佇まい。自然素材だけではないこの人のこだわりとセンスはいったい何?

以下次号。


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