アオバトやツツドリが鳴き始める。山々が日ごとに濃い緑に覆われていく。山里の人たちは第一回目の草取り(刈り)を始める季節だ。この時期に敷地を放っておくと、初夏ごろには酷い目に会う。
花と香りを十分楽しませてくれ、虫たちに密源を与えた菜の花もどんどん引き抜いて整理し、水路のクレソンもカーペットを引き剥がすように大方を取り去る。アトリエ御神木、シラカシ大樹が大量の落ち葉で衣替えするのもこの季節だ。昨年のシソの種が発芽して、今年もクリンソウやレンゲツツジが咲き始める。
土と水があるというだけで、ここにはいまの町とはまったく異質な時間が流れている。