水道のトラブルがまだ尾を引いている。最終槽に水が溜まらず、ここ数ヶ月はオーバー・フロー水がまったくといっていいほど流れていない。中継タンクを掃除し、水源を直したのだが、まだトラブっている。
この水源は、アトリエと、イタルさんちと、Oさん宅との3件共同で使っている。最終槽から3本に管が分かれて各戸へ地下配管されているのだが、それは16mm程度の塩ビ管であり、石垣を縫い、樹木の根のすき間を這っているのだ。
最終槽に一番近いのがアトリエで、イタルさんちはそれに隣接する。Oさん宅はぐっと離れており、僕ら2件からかなり下流に位置する。
昨日の朝、イタルさんともう一度、雨降るなか中継タンクのチェックに行く。カッパを着ていったのだが、水の作業ゆえ全身びしょ濡れ。そうして調べてみると、水源からの水は、最終槽に来ているのだ。なぜ水が溜まらないのか? どうやら地中管の破損、もしくは一番下流にある Oさん宅に問題があるしか考えられない。どこか下で漏れているのだ。
80を超えるご高齢で一人暮らし。足腰が弱られて邸宅周りの草刈りもままならない状態でいるOさんは、このH集落きっての旧家で、屋敷が大きく別宅もあり、末端の蛇口が10箇所はある。前には、別宅(現在は空家)の風呂場の栓がハネていてそこから水が吹き出しているのを発見し、栓を止め直した。
つい先日は、屋根へ昇る温水器への配管から霧状の漏れが虹をつくっていたので、「この頃は圧が弱いのか温水器に水が上がらず、温水器は使っていない」というOさんに温水器の元栓を、とりあえず止めてもらうことにした。それでも最終層に水が溜まらないのだ。
Oさんによれば、この家も水の出が悪く、水はそれほど使っていないという。実際、畑にも風呂にも水をムダに使っていないし、確認できるかぎりの端末栓を確認したが、水が吹いているところはないのだった。
こうなると、Oさん宅までの地中配管に破損があって、そこから水漏れしている可能性が高い。実は、配管がOさん宅へ向かう途中に、旧Nさん宅があって、ここは下の町の藤岡の人が買い取り、別荘のように使っているのだが、その整備をしているとき、ユンボでこの配管を壊してしまったことがあるらしい。
それは修理して埋め戻したらしいのだが、Oさんはその修理の確認まではしていないという。破損カ所から水漏れがしていれば地面に何らかの湧き出しが見られるはずだが、このH集落は細かな水流と湧水が多く、配管箇所にも湧水があり、さらにイタルさんちの下水やら雨水やらが、曖昧な開水路で下流に伝っている。それらの水流に混じっているかもしれず、地表からは水漏れが判別できない。
配管したのは40年以上も前。最初はアトリエとイタルさん宅と旧Nさん宅が3軒共同で水源を使っており、もともとOさん宅は配管箇所にあった湧水を水源としていたらしい。Nさんが山を下りた時点でその配管を譲り受けたらしいのだ。そしてNさん宅を後に買い取った下の町の人は、独自に別の水源から水を引いているらしい。複雑なのである。
ともあれ水が使えないということは一刻を争う重大なことで、イタルさんにしてはコンニャクの消毒などで使う水がないと困っている。塩ビ管の解るところを掘り出し、そこを切断して黒パイプでつなぎ直すことになった。
というわけで、今日は朝から高崎の問屋街へ配管材料を買いにいき、約60mの配管を皆で行なったのである。これでオーバー・フロー水の細流がアトリエに再び戻った。嬉しかった。干涸び始めていたワサビが元気を取り戻すことだろう。
http://www.shizuku.or.tv/kanna.suidou.htmlのイラストにも描いたが、最終槽への配管は、僕らがここへ来てすぐに(2年半前)詰まってしまって、黒パイプに配管しなおした。今回は下流部が破損して黒パイプになった。これで、上水道の全貌が把握できたわけで、今後はトラブルがあっても地表配管をチェックすればいい。安心なのである。
数日ぶりに雨が上がる。畑の雑草をあわてて刈りにいく。