囲炉裏でご飯を炊くときの、アトリエでの日常のショットである。中央に羽釜、片側につり鍋(中はお湯)、もう片側に味噌汁の鍋が保温中。使っているのは太めの柿の木の薪。昨年の春の強風で折れたもの。
今日はヒノキとクヌギを燃した。
このヒノキは巻き枯らし間伐をやったものを伐倒して、薪にしてみたのだが、よく燃える。
イタルさんちの畑に上にあるヒノキ線香林の実験的「巻き枯らし」をやったのは、静岡からN君たちが間伐を学びに訪ねてきたとき(日記)だから2年半ほど経っている。もちろん枝は枯れ、多少の下床植生も回復してきたわけだが、試しに枯れたものを伐って薪にしてみたのである。
ふつう、伐り置き間伐して地面に転がしておくと、2年もたてば虫食いだらけになるが、これは虫食いもなく、芯まで完全に乾いていてすぐに使える薪素材になっている。
驚いたのはその香りで、芯の赤身のところはすばらしいヒノキの香りがプンとする。鉋で削るとその削り屑は芳香剤になりそうである。これは燃やしているときもそうで、ヒノキ薪の燃える匂いは他に類のないものだ。
巻き枯らし間伐で薪を得る、というのはなかなか素敵なアイデアかもしれない。つまり山で立ち木のまま薪を乾燥させておくことになるわけだ。巻き枯らし間伐で再生させると同時に・・・。
乾燥した木は軽く、運ぶのもラクだし、ヒノキはスギよりも火保ちがいいので、薪ストーブ愛好者にもおすすめのアイデアだ。
※巻き枯らし間伐については拙著『鋸谷式 新・間伐マニュアル』『図解 これならできる山づくり』等を参考にしてください。