台所の土間に薪風呂釜がと冷蔵庫が入り、マッキー君が二階(現在はまだ倉庫状態)に上がって、その煙突を撤去した話は書いた。
マッキー君があった場所には乾物などを入れた茶箱が納まり、その上には自作の棚が設置された。いい感じではあるが、まだすっきりしない。ここの空気が淀んでいる感じがする。
ここは家の東北の角にあたり、風水的には鬼門で、台所は「凶」とされているらしい。だから、ここにマッキーを置いて火を焚くことは、それを跳ね返すのにとてもいい所業だったのだ。それがなくなったので、いっそう淀みを感じてしまうのか。
「やっぱり・・・」
「天窓(トップライト)計画実行か」
古民家の内部はどうしても暗い。天窓はずっと温めていた計画であったが、僕らが狙っていたのは、車の廃材フロントガラスをと木枠でそれを置いてしまうか、小さな建具のガラス窓を利用して、縦型の光採りを設置する、という方法だった。
しかし、時間がない。そこで・・・
二階に放ってあった金魚鉢(?だと思う)がふと思い浮かんだ。かなり厚手のガラスで、強度も申し分ない。
再び屋根に上がって。
勿体ないけど先日蓋をした丸いトタンを剥がして、金切りはさみで穴を広げ、ガラスがひっかかるようにペンチで切り端をちょっとめくっておき、
接合部にコーキング材をたっぷり塗って、鉢をはめる。養生期間はガムテープで保護。
ごく小さなトップライトだが、
その効果はすばらしいものだった。なんとまあ空間が劇的に変わることか。暗い角に爽やかな風が舞い降りているかのようだ。以前、壁のこまいの見えた穴をそのまま窓にした北側の小さな明かりと比べれば、その明るさの違いがわかる。金魚鉢は筒状なので、光が屈折していっそう明るさを集めるようだ。
小さな蛍光灯一個分はあるだろう。
見上げると海底の海藻がゆらめいているように、カエデの葉が見える。夜は虫たちを観察できるだろう。朝の陽光が差すときの光の具合が楽しみだ!