天空の集落へ


県の集落支援員の仕事で神流町におじゃましてきた。旧中里村の持倉集落は、神流川の支流の最奧にあり、平家の落人伝説もささやかれる集落だ。ここには以前ハチ名人に会いに来たことがある。神流アトリエのあるH集落もなかなかだが、ここはさらに山奥感があり、見渡すに絶景が広がる。

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かつての主産業は国有林の伐採と炭焼き、養蚕、コンニャク。3階建ての養蚕民家、しかも漆喰壁に驚かされる。

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どの家でも薪は健在だ。

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急傾斜の場所だけにごく限られた耕作地だが、種類は豊富だ。ソバや豆類はよくできるし、キュウリなどはここだけの固定種もあるそうだ。

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残念ながらハチ名人は2年前に亡くなられていた。しかし、集落の一番下に居をかまえるお宅でハチが飼われていた。

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ご主人は不在だったが奧様が丁寧に応対してくれ、最近のハチのことをうかがってみた。今年になって2箱のハチがいなくなったとのことだ。ハチの巣と蜜はそのままで、ハチだけがまったくいなくなってしまったのだという。長年ハチを飼ってきて、こんなことは初めてだという。

そして、灯火に飛来するガの数も今年は極端に少ないという。やっぱり・・・。犯人はおそらく新しい除草剤の成分ではないか、と私が告げると、奧様は思い当たるふしがある様子であった。

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どのお宅も、後継者はいない。しかし「ここはいいところだよ」と、区長さんはにこやかに笑った。四国の剣山周辺に点在する「天空の集落」さながらの、この美しい家々と畑と山を、いつまでもこのままに残してもらいたい。

いま、若い人に働く場所がないという。彼らに山村集落で草刈りをやってもらおう。ただし、エンジンカッターではなく、手ガマで丁寧な草刈りと、道の手入れをしてもらう。集落の人々がまだ元気なうちに様々な知恵を伝えてもらいながら。多少の給料は払ってもいい。財源は? ある。特殊法人や独立行政法人をなくして天下り官僚に流れる莫大な予算(年間12兆円が流れている)を回せばいいのだ。

民主党の皆さん、よろしく。


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