囲炉裏部屋改装中。
最も急がれる水道工事に着手。
台所は屋内からの本水道(以前は湯沸かし器経由)と、屋外からの井戸ポンプによる配管が合わさっている。それをシンプルな一本配管にまとめ使いやすい位置に蛇口を移動したい。
井戸は手漕ぎに変えたし、ガス湯沸かし器も外した。あとは一本化あるのみだが、なにせ鋼管である。自由につぎはぎするにはダイスでネジ山を切らなければならない。これをプロに頼むとおそらくかなりの金額がかかる。
思いついたのは、継ぎ手を利用して途中から塩ビ配管にすること。塩ビならホームセンターですべての材料が安価で買えるし、継ぎはぎもノコと接着剤で簡単なのだった。
さっそく解体に入る。鋼管のネジは硬い。潤滑剤55-6を局部スプレーしてからパイプレンチで回しにかかる。パイプレンチというのはモンキースパナのように自由度のある「くわえ」を持っているのだが、回すときに円筒形状のものにがっちり噛むようになっている。鋼管の外しには必携の道具だ。
回しにくいところは金ノコで切断する。どうしてもダメなら次の手を考える。工事には直感的なスピードも大事だ。
外側の配管を外す。凍結防止のカバーは何回でも使えるので外したら捨てないでとっておく。
ここは井戸から繋がる配管だが、地中の構造は不明。パイプレンチでごりごりとねじったら、地中の塩ビ配管からぶち切れた模様。なにしろ借家の場合、上下水の地下配管は最初に最も聞いておくべきポイントなのだが、残念ながら不動産屋さんが詳しく把握している場合は少ないのではないか。普通の家主は上下水工事はたいがい工事屋に任せる。つまり、元の家主すら解っていないのだから。
穴はクリ材の小丸太で栓をしました。
塩ビ配管切り替えの前に、壁板を貼る。ここはちょっと土壁が剥がれそうになっていたので押さえの意味もあり、シンクの脇なのでスパイス棚などを置きたい場所でもあり。水道管を壁内に隠す板壁を打つときに、サイドの壁との突きつけが問題になってくる。きれいに仕上げるには先にサイドの壁が仕上がっていないといけない。イメージを固めるためにこの壁打ちを先行する。上端は上の曲がり梁に合わせて波型にカット。
材料は先日トラさんに貰ったヒノキのフローリング材のはねもの。さねの凹凸をしっかり木槌で叩いて押し込みながら、下段と両サイドの隙間がでないように調整。
定尺の板を重ねていくと寸法のズレが出る。その端は寸法を測って転写し、ノコで切ってうまく収める。ぎりぎりの寸法に切って鉋で面取りして、全体を組み込んでから、壁の両サイドをはめ込み、アーチ状に膨らんだ中央を押し込むようにして、凹凸の隙間を埋める。そして土壁の貫にビスでがっちりと固定する。最後に真鍮クギで下端を押さえる。
パイプレンチの技をお教えしよう。2本のレンチを使って一方は上を向けて床に寝かせる。もう一方を上から噛まして、そのレバーを足で思い切り踏む。どんなに硬い接合部でも、これでたいがいネジが動く。
さて塩ビに切り替えて配管開始。この継ぎ手は内ネジ山は金属製になっており、鋼管と接合性能がいい。普通のホームセンターでは売っていないので、問屋さんで入手。ただ、この青い色と灰色との塩ビ管の接合は、いつもの灰色同士の接着剤と種類が違うので注意。
寸法をみながらノコで切り45度の曲管でつないでいく。現状の配管は 20ミリと太い径だった。途中で継ぎ手を使い、20ミリを16ミリに変える。
新品の蛇口をつける。ネジ接続のところはネジ山に専用のテープを巻いてからねじ込む。最後にギュっと締まったときに蛇口の位置が正方向に止まるように、その厚みで調整するのだ。塩ビ管は鋼管に比べ柔く動きやすいので、先に凍結防止の処理を施してから、台座を添えたりしてやる。
ふう、夜半に完成。これからこの蛇口が「忍木菟屋」の心臓部となって、美味なるお茶や料理を生み出してくれるのであります。よろしく頼むぜ♪
ちなみに、今回の工事、材料費は2000円程度です。