天空の集落/集落支援員in持倉(2)


県からの依頼を受けた「集落支援員」の仕事、持倉集落2回目は、いよいよ私たちだけでの仕事開始である。なにせ閉鎖的な山村集落にイキナリよそ者が突撃して話を聴きにいくのであるから、ある程度の軋轢や齟齬は覚悟の上である。

天空の集落からの眺め。よく晴れた穏やかな日。

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持倉の最初の人は森林組合に長く働いていた人で、その手の話は詳しいからして話が合ってしまい、好意的によくつき合ってく話が出た。この方の家は、三階建ての養蚕民家である。昭和初期の竣工で、許可がなかなか下りず苦労されたそうである。

2軒目は、テレビの音はすれども何度声をかけても音沙汰無し。ようやく奧から現れたご主人はけげんな顔で、私たちの仕事の内容を話すと「話は下手だし、人と付き合うのは好きじゃないんで」とそっけなく門前払いになりそうな気配。食い下がって突っ込んでいるとこの方は石垣積みが仕事だということが解った。そこで石垣積みの質問攻めにしてきっかけをつかむ。写真は地図を出していろいろ聞き込むyuiさん。狩猟の話も素晴らしかった。

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日曜日を選んだのは、まずYさんに会っておきたかったからで、Yさんとそのご主人には昔ニホンミツバチの入った蜂洞を旧アトリエに届けてもらったことがあるのだ。ご主人は蜂飼いの名手でそれを取材したNHKの友人ディレクターが私の蜂を飼わせるべく持倉に連れていったのだ。ご主人はその後亡くなられた。奧様は下の町で働いているので、日曜日しか取材できない。

はたして、Yさんは居て、私たちを覚えておられた。仏前に線香を上げさせていただいた。思い出話を1時間ほど。私はYさん宅の納屋が好きだ。ご主人はとても器用な人で、自分で伐り出した木で作ってしまうのである。

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クリ材の二又を使った掘っ立て柱。梁にかけられた農具。

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お茶をいただく母屋のコタツ部屋から外はこんな感じに見える。まさに天空の集落。

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支援員の配属場所は県からの指示なのであるが、偶然にもYさんご夫婦に出会った持倉集落がそのひとつだったのである。

持倉にはマス養魚場とマス釣り場・キャンプ場があって、そのご主人にも話を聞いて、帰路についた。

 


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