ここからは囲炉裏を実際につくってみようという人に多いに参考になるであろう。
まずは炉縁の接合だが、新築ではなく古民家改装の場合はベースになる部分のずれやゆがみが多いので、凝った継手(つぎて)や仕口(しぐち)による接合は難しい。ここは簡単にしてビス止めを併用する。とはいえ、ぶきらぼうにビスでくっつけても面白くない。
手動のくりこぎで頭隠しの穴をあけてからビスを打つ。もう2本の炉縁は解体で出た針葉樹の角材を使うことにした。接合部はおたがいに切り欠きを入れて組み合わせる単純なもの(後にこの方法は取り止め、4本とも同じ広葉樹材を使うことにした)。
根太を切断する。一般に住宅の床を剥がすとこの根太とその下の大引という角材が出てくる。大引は束(つか)という角材に支えられている。これを全部とっぱらって最初から囲炉裏を組むのではなく、根太だけを切断して囲炉裏を組んでしまおうというわけだ。
大引はたいがい真幅で900mmだがら内寸が800mm程度で囲炉裏にぴったりのサイズ。その上に交差する根太は300~450mmピッチで配置されているので3本切れば囲炉裏の四角の空間ができあがる。
その上に炉縁(木枠)を載せればいいのだが、隙間ができるので、そこはいま切り取った根太をサイズに切って。ビスで止める。
できた。この下に石を組んで、隙間を砂利や粘土で塞いで、灰を入れれば囲炉裏のベースの出来上がりである。
続く。