廃材とインディアン


薪にする廃材をもらってきた。アメリカから日本に輸入されたジェットボートの梱包材である。現地でチェーンソーで粗切りして、アクティ君に満載できるだけ持ってきたのでした。

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燃やすにしても、釘はやっぱり抜いておきたいのが私の性分。材は北米SPF材を骨組に、板や一部合板も使っている。釘はみなスクリューなので強固だ。抜くのに骨が折れる。

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パレットも解体。これにはスギが使われていた。

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国産材はペーパーをかければ再利用できるかな? 輸入材には「臭化メチル(メチルブロマイド)」という 殺虫・殺菌剤が燻蒸されているので材としては使いたくない。やっぱり薪だな。しかも野外使用、もしくは煙突焚きの場合のみ可。

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釘抜きが難しい場合、針葉樹なら小バールやナタをうまく使って、寸止めで釘芯部を割って釘を取り出すこともできる。細かい破片も捨てずに薪に使おう。ロケットストーブのいい薪になる。

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それにしてももったいないなぁ。この梱包材は産廃扱いで燃やすのにお金がかかるのだそうだ。SPF材というのはスプルース(トウヒ属)、パイン(マツ属)、ファー(モミ属)の頭文字で、その混成林で生育する樹なんだそうで、ようするに針葉樹ならなんでもOKということでしょ。それを人工乾燥で狂いのないツーバーフォー規格材にしたというわけだ。

ところでその北米大陸は、かつて原生林で覆われた森の大陸で、ネイティブアメリカンが自然と調和しながら暮らしていた。白人がそこに乗り込んで木を伐りまくり、およそ300年の間にその原生林の8割が消えてしまったそうな。SPF材の断面を観察すると、人工林の木には見られない目の詰まった年輪をみることができる。

原生林の大木はトコロテンを切るようにツーバイ材に製材加工される。それを重油ボイラーで乾燥し、さらに劇薬で燻蒸して、ここ日本に梱包材として送り込まれたわけである。そして廃棄されようとしたところを、わが忍木菟屋においでになったというわけなのである。

年輪にはインディアンが生き生きと暮らしていた時代が刻まれているのかもしれぬ。それを偲びながらストーブの火を焚くのだ。


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