愛媛には観光用に蛇口をひねるとミカンジュースが出てくる場所だかイベントだかがあるらしい、とは聞いていたが・・・「香川には蛇口からうどんつゆ出てくるとこあるよ」と聞いて、佳日行ってみることに。
そんな馬鹿な(笑)。ほんとにあった。場所は高松市香南町にある高松空港だ。
飲めるように小さな紙コップが用意してある。
味は美味い。うどんやさんが毎日決まった量を納品するそうだ。出汁はいりこでとる。瀬戸内海の伊吹島で採れたいりこが最高級らしい。そのいりこを使っている。
空港ラウンジのこの一画は、香川県の各市町村の名産品がショーケースに展示してある。
香川は山だらけの四国の中では平野が広く、雨が少ないので塩田が発達した。昔から「讃岐三白」といい、塩と砂糖と綿花が有名だった。小豆島はオリーブが有名だが、私にとっては醤油の島でもある。自然食マクロビにはまっていたときはよく使っていたな小豆島の醤油。
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このあいだアーケードのスーパーで300円の生タコ見つけて浅く茹でてざっくりと酢洗いして小豆島のヤマロク醤油の「鶴醤(つるびしお)」で食べた。この醤油がほんとに素晴らしい。西日本でよくみられる刺身用たまり醤油は砂糖が使ってあったりして、関東の人間にはちょっと辟易だが、ヤマロクの「鶴醤」は原料と時間をかけて自然のコクと甘みが出ている。この醤油、yuiさんが某メルマガ経由からモニターで申し込んだらプレゼントで当たったのでした。値段? 高いよ。145ccで450円。
ヤマロクのもろみ樽は三十二石(約6000リットル)の大杉樽。使い始めて既に150年以上経過。国内に現在3000~4000本残っていると言われる大杉樽のうち、小豆島には1000本以上が残存・集中する。
杉樽と土壁蔵は菌の住処で、ここに百種類以上の酵母菌や乳酸菌たちが暮らしている。一樽ごとに微妙に味が違うそうだ。滅菌してステンレスやプラ桶で純粋培養菌を使えば品質は安定するし量産が可能だが(現在の大手醤油はほとんどがこの方法をとる)菌の多様性は失われる。
手間がかさみ経営効率の悪い『鶴醤』(再仕込み醤油)を数十年間ぶりにを復活させたのがヤマロクの四代目。雨の日も風の日も混ぜて混ぜて・・・これを「地獄のもろみ混ぜ」と呼ぶそうだ。
樽職人は激減、材料もなし。この樽で消えていくのだろうか・・・と思ったら、ヤマロクは2009年に16石の新桶を7本導入したそうだ(しめしめ、こいつはずっと楽しめそうだナ)。でもこの醤油には本ワサビがほしくなる。いい刺身にこの組み合わせ、日本の食の極致のひとつだな。
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その小豆島だが、ショーケースに「かどや」のごま油があって、このメーカーは関東でもおなじみだけど、生産工場は小豆島にあるのだそうだ。知らなかった。
直島の名産品。
アートも名産なのだ。草間彌生の防波堤カボチャ。
琴平町の名産がにんにくというのも初耳。淡路島のタマネギは知ってたけど。
「ガーリック侍」という加工調味料シリーズもあるらしいよ(こちら)。にんにくキャラもかわいい♬
空港の土産物屋の冷蔵庫には「えび天」が。えびのすり身を入れた練り物である。
関西では練り物を「天ぷら」と呼ぶのでまぎらわしい。関東では「さつま揚げ」だよね。高松の町中にも「てんぷら」と書いてあるからどんな天丼食わせてくれるのかと覗くと「かまぼこ屋」なのだこれが。
で、yuiさんに訊いてみた。
「じゃ、普通の海老のてんぷらは何て呼ぶのよ?」
「えび天」
「・・・」
だけどうどん屋に行くと、このふつうのエビ天と練り物のえび天が同居してたりするのだ!
「それじゃ練り物のえび天と区別がつかないじゃん!」
いや、美味しいですよ、練り物のえび天w