福井講演旅(その3前半/講演当日)


さて講演当日。ホテルで早起きして資料のチェック。私はパワーポイントではなくiPhotoのスライド機能を使う。資料が足りないと思ったら過去の写真やイラストを引っ張り出してフォトショップで合成し、iPhotoのアルバムに挿入すればよい。

会場は駅前のAOSSA最上階にある県民ホール。2番手の私は持ち時間1時間というメインの基調講演。

今回は「里山砂防」における道づくりがテーマで、福井県土木部という林野とは違った媒体からの要請であった。四万十式作業道の工法に感銘されたとのことで、道づくりだけでなく、砂防と森林について様々な観点から話してほしいとのことだった。

たとえば再生の基本となる日本の気候風土と森林の関係や、樹種における砂防上の特質、私の経験から里山資源の利用法など、話すことはいくらでもあるのだが、前半に日本の自然と里山の話を30分、後半に四万十式作業道のことを30分と話した。四万十式を理解するには、前提となる日本の森への理解が不可欠だからである。

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福井では平成16年に豪雨災害があり、市内にも土砂が流入した。山崩れとともに流木災害が大きく、流木が川をせき止めて土石流を増幅させてしまうのである。根倒れする線香林の木は生き枝が先にわずかしかない(枝が多ければ倒木は滑りにくいものである)。まずは間伐への理解不足が災害を大きくしている。

事前に10数ページのイラスト入り資料をPDFで送っておき、参加者に配布していただいた。四万十式の道づくりはイラストが非常に重要で、これがないと理解度が全く違ってくる。

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次いでパネルディスカッション。

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コーディネーターは福井工専教授の武井氏、パネリストはもう一人の基調講演者である国交省研究官の冨山氏、大野市長岡田氏、美山町森林組合理事長の渡辺氏、福井県安全環境部の平山氏。今回の私の肩書きは「里山再生の研究家」である。

「近年、大きな砂防堰堤を山中によく見かけるが、私はあれが好きではないし生物の遡上を妨げるのでよくないと思う。コンクリートのアクでカジカがいなくなったという話も聞く。四万十式の”洗い越し”は堰堤と同じ役割を果たす。崩れない近自然型の道によって山の管理ができ、うまく伐ることで伊勢神宮の宮域林のような針広混交~砂防に強い豊かな山を創造できる」という話もした。

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200人の会場は満席であった。閉会の挨拶は主催者(社)全国治水砂防協会の亀江氏。

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その後、意見交換会(食事つき)に参加。サプライズでSHIZUKUの弾き語り。飛び入り参加もあって盛り上がりました♬


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