万場のナタガマ


藤岡のIさんが太陽熱温水器を持って来てくれた。パーツがばらばらなので、設置場所を考えて組み立てたり配管をしなければならない。しかし、これができると灯油が大幅に節約できる。それに今の灯油釜が壊れたら薪焚き兼用の釜を購入する予定だ。外でチビカマでお茶を沸かしていたら風が寒くなってきたので囲炉裏に移動する。

Iさんが帰った後、囲炉裏でご飯を炊き、昨日藤岡「たむら」でお土産にいただいた塩サバを焼いた。囲炉裏で焼き物をするときは、まずおきている火に薪を多めにくべて熾炭をいっぱい作る。そこで薪を引いて炎を弱め、ゴトクに網をのせ熾炭の部分で焼くのである。 “万場のナタガマ” の続きを読む


いづつワイン


前に運び込んでいたクリ薪の荷上げと積み直しをする。さすがにクリ材は線路の枕木になるだけのことはある。山中で放置され年月にさらされたものだが、乾かせば十分使えそうだ。

izu1

“いづつワイン” の続きを読む


遠雷


水路の梅の実が黄色く色づいて落ち始めていた。なかには茶色くなって中身が完熟し、とろとろの甘柿状態になっているものもあり、手にしてみると爽やかな発酵臭がある。中身をちょっとなめてみると、酸っぱくてなかなか美味しい。「これはこのままジャムになる!」と思った。昨年の晩秋に敷地の柿を、その熟したものを食べた。高価なブルーベリージャムの一瓶よりもそのカキの1個のほうが量が多かった。これはほとんど自然のジャム?

山村ではカキや梅などかつての果樹が利用されないまま放置されている。さっそくネットで梅ジャムの作り方を調べてみる。ようするに熟した実から果肉だけ取り出して砂糖で煮ればいいだけだ(何と簡単!)。ジャムというのはもともと食べきれない果実の保存法なのだろう。小鍋に一杯分の梅を拾ってきて、水で洗ってから皮を剥き、竹べらで果肉をこそげとる。種の周りのぬるぬるは取りにくいが、最後に何個か手のひらに入れてぎゅっと搾るようにするとけっこうとれる。鍋で煮るとなんともいい香り。水路1mに落ちていた分で、採取からジャム完成まで2時間もかかってない。

middle_1121546485  middle_1121546508

middle_1121546534

“遠雷” の続きを読む


ニシンのマリネ


朝から草刈り。とはいえ、僕らの朝は遅い(笑)。すでに炎天下。水源への道と石組みの水路周辺を刈る。畑で大きなアオダイショウを見る。ちょいの間の草刈りで滝のような汗をかく。僕らはいまだにエンジン式の草刈り機を持っていないので大鎌で手刈りしているのだった。

昨日、ネットで注文しておいた「ピチット」が到着したので、さっそくニシンのマリネを仕込んでみた。しかしネットは商品の購入だけでなく、料理のレシピを引くのにもすごく便利だ。ニシンのマリネはデンマークの伝統的な料理で、日本のしめサバのようなものなんだって。まずはマリネ液をつくる。冷蔵庫からトマト2個を取り出し、湯剥きして小鍋でつぶしながら煮てピュレにする、それに畑から採ってきたばかりのニンジンをすりおろして入れる。鍋が冷めたところでタマネギのスライス、ワインヴィネガー、黒胡椒とクローブをつぶしたものを投入。これを保存容器に入れて一晩寝かせる。

middle_1121400605 middle_1121400080 middle_1121400061

middle_1121402452 middle_1121402473 middle_1121402494

middle_1121400133 middle_1121400155 middle_1121400176

“ニシンのマリネ” の続きを読む


ピチット


『現代農業』連載の本描き、今回のテーマは「石垣」。はやく終わらせて町の用事を片付けようと思っていたのだが、手こずる。まったく毎回毎回たいへんなのだこの連載は。でもこの連載をまとめた単行本はきっと社会にインパクトを与えるものになるだろう。そのとき、鋸谷式間伐はさらにメジャーになるはず。

Y嬢旅先の北海道からクール宅急便が届く。運んできてくれた宅急便の運転手はお姉さん(ちょっと太め)でハアハアゼイゼイ「ふだん歩かないからね」。中に生ニシンも入っていたので、ネットで「ピチット」を注文した。浸透圧を利用し、食材から水分と臭みを抜くという薄いシート状の製品だ。これでニシンのマリネを作りたいが、到着が間に合うかな? ともあれ山暮らしで動物性タンパク質を最良に保存・生かすためのツールにちがいない。
“ピチット” の続きを読む