恐山、六ヶ所村、三内丸山(7日目、温泉・縄文・原子力)


恐山へ向かうルートは南のむつ市から入るのが一般的で、大きな観光道路も整備されているようだが、北から来た私たちは大畑川沿いに入る。この川と薬研温泉の組み合わせは山釣りファンにとって垂涎の的であったが、今はどうなんだろう?

雨だ。やや南下したので紅葉が残っている。海峡を渡ると林相はがらっと本州になる。途中からヒバが見え始め、ブナが現れる。大畑川流域は確かにすばらしい森だった。峠を過ぎて下り道になる。やがて硫黄の臭いがして、かの地に近づいたこと教えてくれる。

恐山といえばおどろおどろしい荒涼とした光景にイタコの口寄せ・・・というイメージを持っている私は、霊的に敏感なyuiさんがここで感応しやしまいか? と心配であったが、むしろ行きたがったのは彼女のほうであった。横殴りの雨も治まったが、どんよりと曇り空。

早朝着いたこともあり観光客は誰もいない。イタコもいなかった。ここには温泉もあるので6時から見学受付していることは調べておいたのだが、私たちは一番乗りのようだった。入山料は500円。山門を背に。背後は地蔵山。

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イトウ、朝日温泉、弁慶岬、函館(5日目、塩バターラーメン)


1979年19歳の夏、私は初めて北海道を訪れた。当時はN大工学部「釣り同好会」の一員であり、先輩の車に同乗しての3人旅であった。知床でアメマスやオショロコマを釣った。N大工学部は福島の郡山にあるので、それまでも朝日連峰や銀山湖周辺でいい釣りはしていた。しかし、北海道はなにか次元の違う、実に感動的な旅であった。

自然も良かったが、本州の旅人を実に親切にしてくれる現地のアウトドアマンのおじさんにも感動させられた。私の絵画的処女作と言えるクラフト紙シリーズのVo.1が、そのときの北海道知床忠類川のイメージであることでも、その感動のほどが伺い知れよう。

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苫小牧演習林、モエレ沼公園(4日目、ジンギスカン)


翌朝、苫小牧へ向かい、北大の苫小牧演習林森林と人間に行ってみる。昨年、この演習林の育ての親である石城謙吉氏が『森林と人間~ある都市近郊林の物語~』(岩波新書)という本を出された。私はこの本が今後の日本の森林を考える上でとても重要なものになると思い、当ブログで長々と解説した(こちら)。実際にその場所に立ってみたかった。

入り口はなかなか分かりづらい場所にあったが、なんとか探し出し、早朝に到着。

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小樽、ニセコ、札幌U宅(2日目、スライドマントラ)


明け方に着いた北海道小樽港。まだ4:30で外は暗い。小樽は運河と倉庫で町おこしに成功した街だが、もちろん店はどこもやっていない。

が、ここで時間をムダにするような私たちではない。すでに予定は立ててあるのだ。アクティ君をニセコに走らせ、温泉に入りにいく。途中で夜が空け、ニセコの山並みにシラカバの絨毯が映り始める。

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新潟からフェリーで(1日目、トラブル発生〜日本海・小樽)


以前から温めていた北海道と東北の取材に出発。何の取材か? ということは作品に結実してから見ていただくとして、個人的な備忘録として取材とはあまり関係ない風景や出来事を記したいと思う。

軽バンのセカンドカー、HONDA「アクティ」君で桐生を20日午後に出発。札幌には友人がいるので、群馬の地酒を買っていこうと大間々で酒買ったんだが、なんとそこでエンスト。すわ、補助ライト点けっぱなしだったか? バッテリーが上がったかも? しかしマニュアル車は「押し掛けができるので、酒屋の隣の駐車場を利用して、再びエンジンがかかる。

これでいけるかな? と思ったら甘かった。新潟の某道の駅で一夜をあかし、翌朝セルを回すとまたエンジンがかからない。ヤバイ。が、もう新潟港~小樽のフェリーの切符は買ってあるし、修理に駆け込んで間に合う保証はない。とりあえずまた押しがけでエンジンを回して港へ。

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