マダケ入手、バラ肉の煮込み


実にいろいろあった一日。朝から囲炉裏の火で豚バラ肉と昆布、ジャガイモ、ダイコンの鍋をコトコトと煮続ける。昼頃、Y先生とかねてから約束しておいた竹伐りと、柚子の木を見に行く。アトリエ敷地には竹と柚子の木がない。それを話すと「ウチの竹を伐ればいいよ。柚子の木もあげるから」とY先生。

竹は今がちょうど「伐り旬」だ。他の季節に伐ると虫食いにやられる。加工モノに使うにはモウソウチクよりマダケがいい。しかし伐る本数や位置について、Y先生の指示は厳格だ。山暮らしにおける「所有」の概念と手入れの厳しい感覚を教わった。

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ホウレンソウの味


近所に住む林家のKさんがカキを採りにきた。僕らが取りきれない高い位置にあるものを、木登りして、竹の先端を割ったもので次々と採っていく。やっぱり山暮らしの年期がちがう。カキの木は折れやすい。枯れた枝には絶対に乗らないこと。奥さんからお礼にダイコンとホウレンソウをもらった。ダイコンは僕らも作っているのだが、上の畑は全体に成長が悪い。Kさんの畑のものはかなり大きい。しかしホウレンソウの味は僕らのほうが勝っていた。

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干し柿と小豆


前日の新聞ネタでY先生夫妻と盛り上がる。毎日アトリエまでの道を往復するうち渋柿の大樹から落ちるカキの実を拾って皮を剥いて干し柿を作っていた。どうせなら本格的にいいものを作ろう、ということで補虫とつなぎ竿を使って樹上のカキを捕獲する。

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梅酒と柿渋


ミニトマトが大漁だった。ニンジンとオクラも収穫。午前中の畑仕事から戻ると喉からからだ。こんなとき冷たい沢水は最高にうまいが、そろそろ琥珀色に色づいてきた梅酒を思い出した。ワイングラスに氷を入れて1杯ひっかける。ん、甘みも程よく、なんといっても香りがすばらしい。

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遠雷


水路の梅の実が黄色く色づいて落ち始めていた。なかには茶色くなって中身が完熟し、とろとろの甘柿状態になっているものもあり、手にしてみると爽やかな発酵臭がある。中身をちょっとなめてみると、酸っぱくてなかなか美味しい。「これはこのままジャムになる!」と思った。昨年の晩秋に敷地の柿を、その熟したものを食べた。高価なブルーベリージャムの一瓶よりもそのカキの1個のほうが量が多かった。これはほとんど自然のジャム?

山村ではカキや梅などかつての果樹が利用されないまま放置されている。さっそくネットで梅ジャムの作り方を調べてみる。ようするに熟した実から果肉だけ取り出して砂糖で煮ればいいだけだ(何と簡単!)。ジャムというのはもともと食べきれない果実の保存法なのだろう。小鍋に一杯分の梅を拾ってきて、水で洗ってから皮を剥き、竹べらで果肉をこそげとる。種の周りのぬるぬるは取りにくいが、最後に何個か手のひらに入れてぎゅっと搾るようにするとけっこうとれる。鍋で煮るとなんともいい香り。水路1mに落ちていた分で、採取からジャム完成まで2時間もかかってない。

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