田中正造の遺したもの


かすみがうら町、真壁と再取材し、栃木の佐野市郷土博物館に寄った。足尾鉱毒事件に立ち向かった田中正造に関する常設展示があるというので期待して入ったが、結局「彼が何をやったか」という案内しかなく、その動機となった事実の説明がほとんどない。なんだか田中正造の「魂」の部分が骨抜きにされているようで正直がっかり。だから、日本は変われないんだろうな。足尾のような自然と人との関係を引き裂く残虐なことが、いまは深く潜航しながら、巧妙に行なわれているだけだ。

帰りぎわ、群馬に戻って太田市でEという店を見つけて入ってみた。水戸でみた巨大なショッピングセンターとほぼ同じ形式で、駐車場まで含めると気の遠くなるような広大な面積だ。しかも1階の食料品売り場はなんと24時間営業。恐ろしいのはこのグループが「木を植えています/私たちはEです」などと環境系の装いを前面にアピールしていることだ。

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魂の森とは?


藤岡の「たむら」でお土産にいただいた塩サバを再び囲炉裏で焼いて昼食に食べる。感嘆するほど旨い。蒸し器で温めなおしたご飯も美味しい。「蒸し器で温めたご飯」などというものは今や死語だろう。冷や飯を温めるのはどの家庭でもきょうび電子レンジだものな。蒸し器のご飯はべちゃっとして不味い気がするけれども、アトリエのはまるで炊きたてのごとく美味しい。もともと山水で薪で羽釜で炊いたご飯だからメチャ旨ご飯なのだけど、これを蒸し直すと美味しいのは、水蒸気をたてる水の美味しさがちがうからか? ともあれ、熾炭で焼く魚は旨い。

siosaba
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