乾燥イチジク、イサムの人生


イタルさん宅の外の水道の修理を手伝う。上のタンクの元栓を止めにいくと、屋根にイチジクが落ちて乾燥イチジク状態になっている。イタルさんに許しを乞うて食べてみるととても美味しい。以前、自然食品店で買ったことがある乾燥イチジクはたしか中近東からの輸入ものだった。ここでも作れるとすばらしいな。

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群馬のカキバナ


アトリエで一日囲炉裏にあたりながら図書館で借りた本を読んでいた。『上州のくらし民具』(読売新聞前橋支局編/昭和52年発行)という本が面白い。当時27歳の記者が突撃取材で農山村を訪ね、民具と当時の人々との関わりを取材するという、読売新聞群馬版に計61回にわたって連載されたものの単行本化である。

当時の人々がまだ囲炉裏やカマドを使っていた頃の写真などもある。興味深いのは写真の巻頭を飾る「けずりはな(かきばな)」と呼ばれる神具(捧げもの、魔除け)である。アイヌが神に捧げるイナウにそっくりなのだ。このカキバナは群馬が中心地であり、神奈川、長野の一部、埼玉では秩父のみ、栃木には見当たらないという。山形には「オタカポッポ」と呼び鷹の形にこしらえるものがある。

夕刻、友人が来て遅くまで話し込んでいった。囲炉裏端で火を燃しながら語ると、僕らも客人も時間を忘れてしまうのだ。


西上州名峰の昔


前橋の県立図書館で郷土資料を探した。3日に楽しみにしている秩父夜祭りに関して調べものをしようと思ったが、考えてみれば秩父は埼玉県だ。上州の本で『秋山郷と西上州の山々~首都圏から最も近い秘境案内~』小板橋光著(山と溪谷社’92)という山岳紀行を見つけて借りる(アトリエのあるH集落はこの西上州の山の麓にある)。

「瀬林から三十分程で、神流川に架かる古鉄橋を渡って神ヶ原に到着した。十石峠に通じる国道で万場行きのバスを待っている間に、雨は急速に上がって青空が広がり、神流川を隔てた正面に叶山が全容を現してきた。急峻な岩肌を巡らせた岸壁となだらかな丸みを持った頂上は、独特の美しい姿をみせて、古くから西上州の名山と呼ばれた秘境の地にふさわしい雰囲気が感じられた」

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読書、バルサミコ


連日、敷地と畑の草刈り。ミョウガの初収穫。今期は十分に草刈りの手入れをしていたので、ミョウガがすこぶる元気である。これから秋まで、売るほど穫れてしまうだろう。カボチャのつるを誤伐してしまう。こぶし大に結実していたのに残念。ところがこの未熟のカボチャをかじってみると甘くてなかなか旨い。ズッキーニに似た味なのだった。石垣のきわに植えミニトマトが順調に実をつけ、毎日数個づつ完熟の実を食べている。

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梅干し、青シソ


図書館で借りた『古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家』を読了。この本は家のことばかりでなく、家から派生する親子関係などにも言及されていていて、とても共感できた。僕も15年くらい前にロンドンとその郊外を旅したことがある。古い家と景観が美しいのに目を見張ったし、人々の服装や所持品が質素なことに驚きを受けた。作者の井形慶子さんは昭和30年代生まれというから、いま40代。僕と同じ世代である。

前日、コペンの車庫を造ろうとヒノキの間伐材の皮剥きを始めたところ、虫食いが多過ぎて断念した。廃材角材を工夫して組んでやってみよう。天気が良かったので梅干し用の梅を干した。アトリエ敷地の梅でどう出来るか? 初めてなので、初期の未熟梅でカリカリ梅を、後半に普通の梅干しと梅ジャムを仕込んだ。赤シソは敷地に自然に生えてきたものを使った。

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