2日目


オクラを初収穫。スライスして醤油をかけて食べる。程よい粘り、瑞々しい。いままで食べたオクラの中でダントツの旨さ。しかし雑草がスゴイ勢い。ネギを覆わんばかりのところが出てきたので、さすがにいくらか刈らねばならないのだ。

ここ数日、オオムラサキが出ている。とはいえ何匹もいる感じではない。アオスジアゲハ、ミヤマカラスアゲハなども頻繁に見る。でも全体にチョウの数は少ない。本当は、自然林と里山環境が機能していれば、こんなモノではないのだ。僕の中高時代(30年前)は、有名採集地に行けば、階層構造と多彩な棲み分けをしてうじゃうじゃと飛んでいたものである。

ちなみに、ここ御荷鉾山周辺は僕が中学時代に愛読していた『新しい昆虫採集案内(1)』(京浜昆虫同好会編/内田老鶴圃新社1971年)にも紹介されていて、わがH集落は×印(採集ポイント)が記されている。昔は草原性のチョウ、アサマシジミやヒメシジミも採れていたようである。

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洗剤はいらない


集落の道普請というか、草刈りの集まりの日だった。元、小学校の分校の建物周りを整備する。草刈りも大切なのだけど、いちばん大切なのは、雨水・排水の水まわりですね。校舎の背後の石垣の下から水が吹き出している。長老のイタルさんがその排水路を黙々と掃除している。水の流れを滞らせない。これが傾斜地の山村において、敷地・建物と長らく付合う要(かなめ)なのですね。

石垣も、畑も、家周りも、この水周りをまず整備する、これが絶対なのです。水はおとなしいときは優しい友なんだけれども、敵にまわすとそれは恐ろしい。ちょっと水路を掘ってやるだけで、ずいぶん建物への被害を回避できるんだよね。

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カレー。梅ジャム・チャツネ


今日もオオムラサキを見た。なんたって環境省レッドデータブッック絶滅危惧種だかんね。それにしても毎日注意してみても4日目。この季節は日本の夏の真っ盛りに入らんといする時期。梅雨の終わりから梅雨空けのまさにその一瞬に、森の王者たる昆虫が出現する。森の宝石、ゼフィルスもしかり。

少年の頃の夏、これらのチョウを採ることは本当に大変だった。なぜなら、この時期は夏休み前であり、週末の学校休みの日にしか虫採りに出れない。オオムラサキに出会える可能性は一年に1~2回しかない。その日が雨である確率は高い。授業中の晴れた初夏の日に、窓から空と緑を眺めた日々を遠く思い出すのである。

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チョウの来る家


朝、ミニトマトとインゲン豆、ジャガイモを収穫した。昼食兼朝食を食べ終える頃、Y先生来訪。キュウリを2本貰った。カボチャをイノシシに食べられてしまったそうだ。ウチのカボチャは不成績でまだ結実していないから心配ない。「でも、ウチの野菜って、後半に伸びるよね」「うん、カボチャもあきらめないほうがいいかも」などと相方と話し合い、さっそく雑草にまぎれたカボチャを助けに行く。

戻ると家の中からなんとオオムラサキの♂が飛び出してきて驚いた。ビールの空き缶の匂いにやってきたのか? しばらくしてまた飛来。こんどは家のテラスに止まり、口吻をのばして何かを吸っているようだった。オオムラサキの成虫は樹液が好きなのだが、この古い家の木材になにか似た物質が出ているのだろうか? これからしばらく観察できそうである。

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昨日、ヒグラシ蝉の鳴き声を今年初めて聴いた。しかしY先生によれば、セミは極端に少なくなったという。セミばかりではなく近年ホタルもまったく見れなくなってしまった。ヤマセミやフクロウも多かったそうだが最近は見ないという。推察するに、原因は除草剤、農薬散布、中性洗剤の使用、自然水路が減ったこと、それに、森林荒廃で沢の流量が安定しなくなったこと。多肥料投入による富栄養化もあるのかもしれない。それから敷地の荒廃。放置された空き地は、この最もいい季節にクズやカナムグラ、カラスウリなどのツル植物に覆われてしまう。草刈りなどの手入れをしないと、植物相は逆に種類が減り、貧弱になってしまうのだ。

今の季節、屋敷まわりに様々な昆虫をみる。オオムラサキを観察している間にも、ルリジガバチ(いわゆる青蜂/セイボウ)の一種がクモを加えて歩き回っていた。青い金属光沢の身体を持つ美しい蜂である。屋敷のまわりはとくにハチ類とクモ類が豊富で、お互いにせめぎあっているように見える。山村の屋敷周りは昆虫の宝庫である。

ヘビやネズミが嫌いなら石垣をコンクリートで塞いでしまい、虫が嫌いなら家まわりに除草剤をまき、網戸と殺虫剤で害虫を遮断すればよい。そんなもので住まいを防御すれば、たしかにいっとき快適に感じるかもしれない。

しかし僕らは、オオムラサキが家に止まりに来る環境を愛する。ダイコンを塩とトウガラシで漬けておいたものを取り出してみた。やや発酵臭が感じられ酸味が出ていたが塩気が足りない気がして、中の水分を切り、味噌と塩をまぶして漬けなおした。石の重しと蓋をして、北側の涼しいところに置いておくことにする。実はこんな家の中は様々な微生物や有益菌のすみかでもあり、漬け物に最適な環境なのである。

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シュロ縄


Amazon に注文した『草を編む』が届く。相方は昨日からシュロ縄を本格的に編んでいる。この縄からまた新しいクラフト作品をつくる予定という。楽しみ! アトリエ敷地で伐採したシュロである。その皮をはいで保存しておいたものだ。

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