今日は午後から講演なのだが夜はジローさん宅の囲炉裏でお料理会がある。40代のジローさんは囲炉裏を作るのも使うのも初めてだ。いろいろ改良すべき点がみられたので、アドバイスして手伝うことにした。要点は次の4つ。
1)中のブロックを取り去って灰をかさ上げする
2)自在カギを使いやすいように改造する
3)熾き炭が保存できるように消し壷を用意する
4)火吹き竹を使いやすいように作りなおす
いずれも生活の囲炉裏として使うときは非常に重要な要素だ。灰は薪ストーブをやっている近所のお宅からたっぷりいただいてきたが、その前に古い灰に交じるゴミなどを取り去る。
ブロックなどを囲炉裏に入れてしまうと焚き場が狭くなり、掃除もしにくく、隅などにどうしてもゴミがたまる。また、囲炉裏は神聖な場所であり灰に入れて料理をしたり、灰自体も周囲に飛ぶので、囲炉裏で紙ゴミやビニールなどは燃さないようにするのが大切だ。
既存の自在カギはいくつか問題点があり、実用的ではなかったので、いったん取り外し分解し、その材料を流用して縄掛け式に改造した(横木だけケヤキの太枝で制作)。自在カギは囲炉裏の心棒であり非常に重要な道具である。まず丈夫で実用的でなくてはならず、ヒモが切れたり棒が折れたりすると料理が台無しになるだけでなく大やけどに遭う危険がある。
消し壷はとりあえずブリキの菓子箱を使うことになった。ここに囲炉裏でできた熾き炭を入れて消しておけば、焼もののとき取り出して炭として使うことができる。炎で焼くと煤がつき煙り臭くなる。焼きものは囲炉裏のサイドで小さな別炉を炭でつくり、そこにゴトクと網をおいて焼くと火通りもよくパリッと焼けて美味しい。
火吹き竹は使いやすさが大事で、これが囲炉裏の運用を左右するものなので、ベストな長さに作り直してもらった。あとは煙りの抜けの問題だが、茅葺きにトタンを被せてしまっているので屋根の三角の部分を開放する必要がある(鳥避けの網かスリットが必要)。
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1時間ほどギターと歌の練習をしてから会場の「阿蘇フォークスクール」へ。今回は急ごしらえということもありお客さんは少人数だった。が、なんと東京で森林ボランティアをしていたときの知人(当時、大学生。現・県職員&三児の主婦)が来てくれた。10数年ぶりの再会だが、ひょんなことから今回の講演の情報をキャッチしたらしい。
今回は震災での瓦礫や山林の放射能汚染の話、紀伊半島の土砂崩壊と人工林の関係、マツ枯れナラ枯れ、そして集落支援員の経験と山林のこれから、というような盛りだくさんの内容で、1時間を超過してしまった。
質疑応答のち休憩をはさんでミニライブ。yuiさん風邪気味で今回は4曲でした。
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講演を聴きに来てくれたトランジション・ジャパンの俊郎さんが建設中の敷地や建物を見せてもらった。ここにも囲炉裏ができる。
夕刻はジローさん宅に戻って囲炉裏クッキング体験会。持参したシロインゲンのスープ。エゴマ入りのチャパティ、イモやクリの灰蒸し焼き料理などを皆で作って食べた。
直火が意外にも大きな空間を温めることや、様々な調理に対応する囲炉裏の威力を感じてくれたようだった。