古墳、干上がるため池


建築を見に、自転車で郊外に出かけた。あのうだるような夏が嘘のように気持ちいい秋の日。あるため池から見た屋島。

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私はいまここ高松で新しいアトリエ・スタジオを構築すべく動いている。とりあえずロゴはできた。「Tortoise+Lotus studio」まん中の絵は屋島をモチーフにした。

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Tortoiseは亀、Lotusは蓮だ。ここ四国讃岐のため池に生きる動植物から名前を取った(実は、2003年に香川でやった個展のモチーフが亀と蓮だった)。

外周りを見学後、ぶらぶらしていると古墳を見つけた。

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大きな石を組んである。明日香の石舞台古墳(いしぶたいこふん)を思い出させる石組み。

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奥に進む。

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玄室には石棚が設けられている。この下に陶棺(素焼きの棺桶)が安置されていたという。帰宅後、ネットで調べてみたが、吉野ヶ里遺跡で見た陶棺によく似ている。

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導かれるままに、気持ち良さそうな細道の坂を上がる。大きなエノキが2本。それを過ぎるとまたため池が現れた。そこからみた屋島もなかなかだった。源平合戦の古戦場として名高い「屋島」は瀬戸内海に突きだした巨大な溶岩台地。その名の通り、江戸時代の始めまで「島」だった。

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さらに進むと、またまたため池が。ところが、ここは水が抜かれていた。アオサギが2羽、最後の水流にたたずんでいたが、私たちが近づくと飛んでいった。

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水流の凹みにはたくさんの魚が蠢いている。水がない泥地にはフナなどが干上がって腐った臭いをふりまいている。

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誰もいない。魚を捕る人も食べる人も。

昔、農繁期が終わり、秋から冬にかけてため池の水を抜いた後、フナを捕って「てっぱい」という料理が作られた。寒ブナは臭みがなくあぶらがのって美味しい。伊勢講や寄り合いごとの酒の肴に、男達が作る料理で、冬の客膳には欠かせないものだったそうな。今ではサバやコノシロを代わりに使って作ることが多く、これが「てっぱい」で現代讃岐人には染み付いてしまっているようである。

動画を撮ってみた。


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