アカミミガメの居る川


今日も自転車で建築を見に行ってきた。天気がいい。川にカメを見つけた。

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川といってもコンクリート護岸のこのような川である。ところが・・・

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高松市内を流れるこのような川に、カメが実にたくさん生息しているのだ。中州にいるわいるわ14匹のカメ(近づくと水中に逃げる)。このカメは外来種のアカミミガメだ。よくお祭りの屋台やペットショップで売っているミドリガメというやつである。飼育しやすいのだが大きくなると攻撃的になるので持て余して川に捨てられたりする。四国は温かいので冬越しでき、河川の下流域や溜め池で繁殖する。

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しかし、これだけ大量のカメを養う餌がこのどぶ川にあるのだろうか? ところが驚くことに、この川には体長50cmはあろうかというコイがまた、大量に生息しているのである。このコイの群れを見たときはさすがに度肝を抜かれたものだ。

アカミミガメは雑食性で水草、魚類、両生類、甲殻類、貝類、水生昆虫から水鳥の死体まで、実に雑多に食べる。先日は大きなコイの死骸を多数のカメが突いて食べているところを目撃した。このような生態系の中で「掃除屋」の役目をしているのかもしれない。

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小さな魚の群れも見かける。ここらは汽水域といってよく、潮の満ち引きの影響を受ける。これはボラの子だろうか。

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さて、この御坊川、カメの撮影地点は赤丸の所だが、さらに地図を遡ってみると、これまた驚くべきことに気づく。川の最源流が山ではなく平地なのだ。そこで水色の川の線がこと切れる。2500分の1地図からコンターを読んでみると標高は60~70m。すなわち、この川の水の多くは都市下水で成り立っている可能性が大きい。

香川は雨が少ないので溜め池が大変多いが、いま水は讃岐山脈をぶち抜いて徳島側の吉野川から引いている。だから昔よりは水を潤沢に使える。水道として家庭で使われた水は、下水道が整備されていない市郊外では浄化槽を通して川に流している。

また商業施設や工場からの排水もあるにちがいない。それらが集まってでできた川で、汚染に強いコイやボラやアカミミガメが独自の生態系を作っているのだ。これに鳥類も加わる。ゴイサギやカモ類である。

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詰田川を渡って新川に来た。遠くに屋島が見える。

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土手にセンダンの木が並んでいる。関東の人間にとってセンダンは珍しい。このような場所で砂防樹として見かけるのは関東以北の場合は圧倒的にニセアカシアだ。

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センダンは春の花も美しく、秋には実がなる。この実は葉が落ちても長く残るのでよく目立つ。

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Tさんの設計事務所におじゃまして、自宅を見せていただいた。その後、屋島まで下る。ようやく紅葉が始まっていた。

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しかし、香川は暖かい! 今日はチョウが飛んでいるのを見た。建築の設計も当然のことながら気候風土に見合った素材や形が求められる。ただし昔と同じ手法をとる必要はない。そんなことを考えながら帰路についた。


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