駐車場から境内へ向かう途上、ちょっと変わった門をくぐる79番札所「天皇寺(高照院)」。
ここは白峰宮という崇徳上皇を祀った神社が隣接してあり、その前を通って本堂へ行く。
小さく簡素な本堂だった。
すぐ隣に大師堂。
白峰宮も参拝に行く。面白いのは参道の石畳がカンカン石(サヌカイト)だったこと。
この金山一帯は日本有数の石器原石サヌカイトの産地。カンカン石とは、叩くとカンカンと澄んだ音のする楽器がつくれるほど硬いことから。非常に緻密な安山岩の一種で、黒曜石と同じように石器が作りやすく、古代には遠方まで流通していた。
サヌカイトの石積みが見られるのはおそらく日本でここだけ。
ここに来たら名物「八十場のところてん」を食べなければ。
八十場の霊水はいつも水量が豊富でどんな日照りが続いても枯れたことがないという。最初この水量を見たとき、ひょっとしてこの水源には水道管がこっそり仕込んであるのでは? などど疑惑が浮かんだ私は、本舗のほうに行ってオバチャンに訊いてみたら「湧き水です!」ときっぱり言われたのを思い出す(笑)。金山は小さな低い山なのに不思議なことだが、遠くから眺めると全山にモコモコと原生的な照葉樹が生い茂っており、保水力が極めて高いのかもしれない。
メニューには黒蜜やきなこ、さとうしょうゆ味なんてのもある。甘いのが好きなんだ讃岐の人。
私はいつもこれ。酢醤油。
パンフレットの風押さえにサヌカイト。
*
帰りにまた崇徳上皇の史跡へ。雲井御所。讃岐に配流されて最初の3年間を過ごされた場所。ソテツは枯れてしまったようだ。
その後、綾川の対岸にある鼓岡に移り住み、46歳で崩御されるまで6年住んだ。そこには鼓岡神社が建てられ、当時の住まい「木の丸殿」を模して造られた「疑古堂」が造られている。
歌碑。上皇は優れた歌人だった。
拝殿の真上に日輪が差す。
願わくはこの怒りと悲しみの悪しき世に、君の霊力を再び蘇らせ賜へ・・・。