23年ぶりの海外旅行・ヴェネツィア/13日目その1・二つの教会


ヴェネツィア3日目、そしてこの旅も残り実質2日となる。朝食後、宿の中庭に出てみる。中央に大きめのオリーブの木。

そしてマリア様の小さなお堂。修道院らしい佇まい。

昨日オリベッティ社で購入したガイドブックでホテルの近所にスカルパの作品があることを知り、朝イチで見に行く。朝のヴェネツィア、朝日に照らされた建物の風景。

写真を撮りながら、徒歩20分くらいで到着。

サン・セバスティアーノ教会に隣接する大学の校門で、普通なら軽く扱われて顧みられないような位置だが、やはりスカルパらしいアイコンに満ちた知的で素晴らしいしいデザインだった。

こちらもスカルパの死後に実現された改修ファサードで、全体にイストリア石のパネルが嵌め込まれている。

この石はアドリア海の対岸イストリア半島に産する石灰質の石で水に強いという。ヴェネツィアの建造物の多くは、北部の豊かな森林地帯から伐り出される材木(カラマツ)の木杭と、このイストリア石の組み合わせ造られている。密住が宿命的なヴェネツィアは火災避けのためにも石材の建造が薦められたのだった。

真鍮の車の付いた引き戸。西洋建築のこの石材と金属と木の組み合わせは毎度唸ってしまうところ。

あとで知ったのだがこのサン・セバスティアーノ教会内部にはヴェロネーゼ、ティントレット、ティツィアーノらの絵画があるらしい。が、まだ朝早くて開いていなかった。

屋根のトップに彫刻、聖セバスティアノお決まりの矢の刺さった像。

それにしても、屋根上の彫刻にしてこの完成度はどうだ。

ヴェネツィアを貫大運河「カナル・グランデ」を渡る有名な橋のひとつ、アッカデーミア橋を渡る。

ムラーノ島のヴェネツィアングラスのお店。

思わず目を止める窓とバルコニーのデザイン。

橋の下をゴンドラがすれ違う。

と歩きつつ・・・サン・サルバドール教会へ。拝観は無料だった❣️

息を呑むほどすばらしい内陣💦

奥の祭壇に厳かな絵が・・・。

ティツィアーノ『キリストの変容』

もうひとつあった!

最晩年の傑作『受胎告知』。

ティツィアーノ最晩年を代表する3部作のうちの2点がこの教会にあったのだ。これらの絵は全盛期の爽やかな色彩のティツィアーノらしくなく、当時は不評であったらしい。が、なかでもこの『受胎告知』は大胆な構図と陰影で後続のエル・グレコの発展を予感させる。

スカルパとティツィアーノ、こんなとびきりのアートがふらりと歩く街なかで無料で観れるなんて・・・感謝と驚きしかない。

13日目その2・島へ「ホモ・ファーベル展」


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