この広場の一角に世界的タイプライターの老舗、オリヴェッティ社 ショールームがある。小さな店舗だがここのファサードや内装をカルロ・スカルパが出がけている。
左は隠し扉になっていて回転して開くらしい。ロゴ周りの石のデザインが渋い💧
中に入ると小さなテーブルに係の女性がいて見学チケットを売ってくれる。写真でも有名な美しい石の階段、
その上階にもスカルパの詩的で抑制の効いた内装が凝らされている。床は不定形の破片がさざなみのようにも見える埋め込み・・・大理石でなくヴェネツィア・ガラスが使われているのがスカルパらしい。
建具や木枠、そして金物まで、繊細・精緻なディテールで埋め尽くされていて、日本的な影響も感じられて、ここはやはりすばらしく良かった。スカルパの地位というものが、世界の建築史の中に厳然としてあるということを確信したし、サン・マルコという豪華絢爛な古典建築であふれた広場の一角に、このショールームを大切に残しているイタリアの文化度にも感激したのだった。
ショールーム内のブックコーナーにスカルパのヴェネツィアでの作品ガイド集があったので購入し、それを手もういちど広場に出た。
ここには世界最古のカフェといわれるカフェ・フローリアンがあるが、混んでいたので鐘楼を周り込んだもう一方のCaffè Chioggiaのテラス席に座った。回廊の下でピアノ生演奏が付いている。
しかしさすがにいいお値段、ジュース一杯が13ユーロ/2,000円だった💦
一息ついて、もう1つのスカルパ巡り・・・クェリーニ・スタンパーリア財団に向かう。