大きな達成感を得て、再び電車に乗ってヴェネツィアに向かう。帰国予定の9/10までの4泊はヴェネチュアの宿に連泊することになっている。節約型のバックパッカーの多くは島に渡らず手前のメストレあたりで安宿をねらうらしいが、僕はなんとしてもヴェネツィア島内で滞在してみたかった。
列車は海上の桟橋を走り抜けていき、遂にサンタルチア駅に到着する。ホームはごった返している。でも、フランスのマルセイユで感じたエネルギッシュな感じではなく、底抜けに明るい感じがする。
駅舎をくぐると冴えた青空の下に教会の青銅色のクーポラと水路が見え、そこに水上バスが行き来しているという凄い光景‼️ 「ワオォ〜これぞヴェネツィア・・・」と心の中で叫んで、なんだか笑い出してしまうのだった。
ここから先はもう車道がない。小さなアーチ橋を幾つか越えて宿に歩いていく。何という街なんだ‼️ どこを切り取っても絵になるので何度も立ち止まってしまう。
なぜ? 僕がヴェネツィアなのか。ここに来たかったのか? 20年以上も前の日記にこんなことを書いている。
(イタリアの)都市の中で最も身を置いてみたいのは、ローマよりもフィレンツェよりも、僕の場合なんといってもヴェネツィアである。なぜか子供のときから強い憧れがあった。ここに佇んだときはきっと強い既視感(デイジャビュ)を感じるだろうと思っていた(ここもまた美術の宝庫であり、パラディオの建築群があり、カルロ・スカルパの作品もある)。それが何なのか、僕にはわからない。とにかくこの水の魔都ヴェネツィアに行くときは何か重要なことが起きるのではないかと思っていた。
僕の中に潜んでいる彫刻や石の建築に対する感覚と志向・・・幼少の頃から感じていた、ぬぐえないこの不思議な感覚、たぶん昔ヨーロッパのどこかでそんな仕事(石・立体・建築)を追求していた時代があったのではなかろうか?・・・という、人からみればたわいもない、が僕にとっては重要な、見極めてみたい前世譚(笑)。
ホテルまでの道のり。車道はない。車がいない。自転車も皆無。
ホテルに着く。かつて修道院だったという「Casa Caburlotto
(カーザ カブルロット)」
天窓のある共用スペースにマリア像。
部屋は質素。ベッドも狭い! でもこれで十分。
F.ta Rizzi – Santa Croce 316, Santa Croce, ヴェネツィア, 30135,
シングルルーム 共用バスルーム
4泊, € 409.49
10 % の消費税/VAT 込 € 40.95
Booking.comによる負担額- € 40.54
合計支払い額
€ 409.90(€102.48/日)
夕暮れてくる。
すべてが古い石造の建物。新建材の家がない。車のエンジン音や轟音音がない。かわりに鐘の音。
半ズボンに草履で(笑)。
夜は、宿までの道のりで見かけた、水路沿いにテーブルが並ぶ海産物レストランへ。
たっぷりのシーフードサラダと、
イカ墨のパスタ。
炭酸水を付けて、最後にカプチーノ。
途中アコーディオン弾きがきて「マイウェイ」を歌ってくれた。
I’ve loved, I’ve laughed and cried
I’ve had my fill; my share of losing
And now, as tears subside
I find it all so amusing
私は愛した 笑い そして泣いた
存分に味わい 失いもした
そして今は 涙もおさまり
すべて楽しいことに思える
なんて所なんだ・・・すばらしきヴェネツィア❣️