早朝、ゲストをプライベートビーチにお連れする。といってもゲートからはとんでもない悪路の下り道なので大変である。
戻って3日目、いよいよカヤ葺きをはじめる。
下から順に葺いていくのだが、一番下だけは刈り取った元の部分を下に縛っていく。縛るのはやはりわら縄である。こんな簡単な縛り方でいいのか? というものだが、前回京都の綾部で茅葺のプロから教わった方法なのでまちがいない。
内側から。
思ったより大量のカヤを使うので、
途中でカヤの格納庫まで軽トラで何度もカヤを取りに行く。
それでも全部はなくならずまだ残っている。
2段目からは内側の人と連携をとりながらロープをくぐらせていかねばならない。竹で大きな縫い針のようなものを作って外側からカヤの中にぶすりと差し込み、中の人がそれを抜いてヒモをたぐるのである。
外側はハシゴを、中からは脚立を使って。
もうすぐ頂上。地面に散乱するカヤの残滓も片付けねばならない。
夕暮れが迫ってきて、上部の残りが片付きそうにない。僕も最上部に駆け上がって猛スピードで頂上部を葺き上げる。
ライトが照らされる中、なんとか終わってギャラリーから歓声が湧き上がる。
石の炉も小さくて、自在カギはまだ作れなかったが、中で火を焚いた。僕の縄文小屋や囲炉裏づくりはワークショップの最後には必ず炎を上げて終わらせることにしている。
もう一泊することになり、翌朝またプライベートビーチへ。ゲストで茅葺の手伝いもしてくれた東京の妙香さんが朝日に向かって舞を奉納してくれた。
僕は流木の中から面白い形のものを見つくろって軽トラの荷台に放り込み・・・
小屋に戻って即席の自在カギを拵えた。
石もまた海岸から花崗岩の玉石を拾ってきて、炉を作った。
驚いたのは穴を掘ったことによって空間が広がり、居住性がぐんと増したことである。これなら20人以上はゆうに入れそうである。
対岸のすばらしい景色を見ながら外で朝食。上杉くんたちははやく縄文小屋で炊事をやってみたくてしょうがない風だったが(笑)、昼間の縄文小屋の中は暗い。広々とした敷地なのだから、このスタイルも覚えて平行してやってほしいと思ったのだ。
なんとか3日間で完成することができたが、今回も参加者さんたちの熱意と動きがすばらしかった。そして小豆島という不思議な結束、とくに新住人たちのネットワークに心地よさを覚えた。今後、この小屋と場所が新しい展開をしていくのが本当に楽しみである。