長らく紛失していた挿画仕事の本をAmazon中古で買い戻すことができた。幣立神宮の思い出でも紹介した三橋先生の著書のひとつ『手のひらが病気を治す〜ふつうの人の超能力』(中央アート出版2001)である。
東京での修業時代、人形劇団プークの仕事で三橋先生にお会いした。まだネットが普及する以前、スピリチュアルな情報を先生の私家本から入手していた・・・なんてことは誰も知らない(笑)。
パソコンを導入したばかりの2001年、当時は厚トレにピグマペンで手描きしたものを原画入稿していた。
中央アート出版は楽譜なども出している会社で京橋に編集部があった。当時の日記をひもといてみると、打ち合わせの帰りに丸善の洋書コーナーでウィリアム・ブレイクの画集『THE COMPLETE ILLUMINATED BOOKS』を購入している。全480ページというブレイク詩画集・銅版手彩色の完全収録版である。
そして午後は赤坂の「全林恊」編集部へ。『林業新知識』に連載していた「鋸谷式 新・間伐マニュアル」の原稿第2回分の届け、イラスト納品と次回レイアウトの最終打ち合わせに行ったりしていたのだ。・・・やがてこの連載は僕の初の商業出版へと結実する。つまりこの頃、まだ著作は一冊も出ていない。
今日はyuiさんのご実家に出向き、先日のトヨタフェスの新聞記事とアトリエで実った柿を届けてきた。外出の目的はもうひとつ、サンメッセ香川で行われている「讃岐のイッピン! ええもんフェスタ2023」を見に行くことだった。
何度かワークショップに参加してくれている木工作家の田中さんの会社「tanaya」が出店しているので見に行ったのだ。なにせまだ作品の実物を見たことがなかった。 田中さんは保育士からの転身で、クライアントは子供向けの施設などが多いようだ。子供向けに考え抜かれた誠実な作風がよかった。
サンメッセ香川には常設展示で讃岐の工芸品が陳列されている。僕が愛用している綾川の「能祖すし桶製造所」を彷彿させる(ひょっとしたら同社の過去の作品なのかも?)桶類が展示されていた。
やはり桶樽は、讃岐の工芸品として冠たるものだったのだ(なんと室町時代から)・・・と納得して嬉しくなった。が、説明文の「桶に蓋をつけたのが樽です」と「主に桜の木で作られ」という解説はおかしいのでは?
樽と桶はその用途の違いから木目を逆に使う。また素材は桜ではなく椹(サワラ)のまちがいだろう。