いつもの時津風の2階で泊まって翌朝、Yちゃんのモーニングを食べていると、昨夜のバーで「大内さんに明日の朝ぜひとも食べてもらいたいフレンチトーストがある」と約束していたK嬢がやってくる。というわけで先隣のWATOWAへ。
WATOWAはシェフが多方面から入れ替わりで来て営業するキッチンなのだが、今回は朝からフレンチである。前夜から卵液に漬け込んだフランスパンを焼いてキャラメルソースをかけその上にパインのアイスクリーム乗せというシロモノ(ウマそうだけど重過ぎる、これから石積みだぞww)。というわけでK嬢と半分けしていただいた(予想以上に美味‼️だった)。
良い天気だった。というか、暑過ぎるほどの気温が朝からじりじりと追い上げてくる。↓今回、僕が車に積んで来た石積みの手道具たちである。以前、高知で仕入れた石割ハンマーにも柄をを入れて持って来た(左から2番目)。黒いバールは加古川のムサシの社長、岡本くんがプレゼントしてくれた新潟は燕三条謹製のモノである。首が長く、テコが効きやすい強力な手道具だ。
今回は1日だけというタイトなスケジュールなので座学はなし。現地でペラの資料を渡して簡単な石積みのレクチャーをする。その間、小林くんに指示を出して既存の石積み部を取り壊してもらう。
もう数十年は放置された棚田の石垣である。裏側にはササの根がからんで土がガチガチになっている。これを人力で取り崩すのは大変である(小豆島のタクラマカンの石積みのときも同じだった)。
崩した石と土を皆に仕分けしてもらう。このとき動線を確保しつつ石を大小に分けて配置しておく。
根石を置くスペースを掘り込んでおく。今回はゆるい曲線を描く石垣なので、丁張りは作らない。
根石を置き始める。最も大きな石を選んでいく。積み石はツラよりもひかえが長く積むのがセオリーだが、重量がある大きな根石はそのかぎりではない。横にしてツラの面積を稼ぐ。
次の積み石のために、根石の上部の面は奥に傾いていることが絶対条件。そしてツラの角度も揃っていること。左右の石がきちんとくっ付いていること。
今回も「石見里山チャンネル」のKさんが撮影に入ってくれていた。「里山インストール」のワークショップ第1回目から撮影し動画をアップされているので、まだの方はぜひ見てほしい。
2段目を積む。積み石の裏には「飼い石」と「裏込め石」をしっかり入れておく。ここで午前の部終了。昼食は各自で。僕は「温泉津ふれあい館」に食べに行ったが暑くて食欲がない・・。軽く蕎麦を食べて再び現場へ。
午後の部、スタッフのYちゃんが到着し、ここで自己紹介タイム。今回で3回目のワークショップだが、常連さんも定着してくれて嬉しい。
3段目からは参加者に積んでもらう。
石を取っ替え引っ替えして悩み始めたらすかさずアドバイスに(笑)。
大きな石を動かせない女性陣でも裏込め石を運んで入れるなどできる作業がある。そのサポートがまた大いに助かる。それが結作業のすばらしいところ。
石積みしている場所の奥は沢のルートに連続している。この沢の出口も大雨で崩れていたので、僕らが石を積んでいる間、小林くんは重機で掘り下げて・・・
緩衝帯として落差工を作り、石積みで余った石を積み上げる。結果的に子供たちが水浴びできるようなプールができた。
工事の途中でモクズガニが現れた。前回のホタルといい、温泉津の沢の自然度を証明する生き物である(モクズガニは海域で生まれ、川を上って淡水域で成長し、成熟すると産卵のため川を下る「降河回遊型」の通し回遊を行う)。
15時過ぎ、無事に積み上がる。森からの沢の出口に向かって緩やかなカーブが美しく心地良い。僕自身もカーブする石積みを目見当で積むのは初めての経験である。
だまだ最後の作業が残っている。根石の下部に土をかけて点圧すること。そして周囲の整地と掃除である。
根石の下部がきちんと隠れ、天端の石もきれいに揃った。
こうして誰もがその成果に感動する石積みワークショップが終わる。
記念写真。ざっと外観すると禁じ手の「十字目地」や「いも串」も入ってしまったが、まあこの高さなら崩れることはないだろう。
沢沿の積みも手伝ったので、全身汗だらけ泥だらけになってしまった僕(左端)。右端は昨夜スナックでもお手伝いをしてくれた東京からの研修女子大生、今日はモンペ姿で活躍。
終えて、温泉に浸かってスナックで飲み・・・と行きたいところだが、明日の午後からまた怒涛の予定がびっしり詰まっている。沢で水浴びして下着からすべてを着替えてさっぱり支度して、車へ乗り込み帰路へ。
帰りにふたたび出雲の蕎麦屋へリベンジしたのだが、なんと定休日だった(💧)。途中睡魔に襲われ何度もPAで仮眠しながら深夜に無事帰還。
参加者の皆様、スタッフの皆さん、ありがとうございました❣️ 次回は竹工作とか木工ができると良いですね♬