小野の古民家見学


Hさんは大阪に会社を持っておられる実業家だが、田舎暮らしに憧れ兵庫県小野市に古民家を購入された。先日、ご夫妻で僕の志度での講演会を聞いてくださり、アトリエにも2泊されて囲炉裏暖炉を体感された。そして「囲炉裏を作りたいので相談にのってほしい」ということになったのである。

かなり大きく重厚な古民家で、内部の改装はおおかた進んでいた。改装を手伝ったのは知り合いの大工さんで、なんと石場建て土壁、国産材天然乾燥を徹底して実践しているという。そのトロワプロジェクト(株)の代表取締役でもある小川芳治さんも後から来てくれた。

さて庭周りをざっと見て、以前に「大地の再生」の手を入れたということでそれほど大きな問題は感じられなかったが、前住人が建て増しをした部分が明らかに基本的な風通しを遮っている。よく見られる例だが、昭和の建て増しが環境的に改悪になっているのである。

そしてHさんは火がお好きなのに(既に薪ストーブは設置されている)、庭に火を焚いた形跡がない。夕刻になり蚊も出てくる頃なので、僕は小さな火を庭先に熾すことを提案した。ちょうどレンガがあったのでそれを4つ使って最小限の焚き火をする。

小川さんは僕の話はあらかじめ聞いていたらしく、さっそく著書を購入してくれた。

ダイニングキッチンに置かれたイスも小川さんの自作。木組みが美しい。。。かなりの力量がないとこれは作れない。

小屋裏を見に行き、囲炉裏の煙抜きのアイデアを模索する。

今日はここで泊めていただく。奥様がすばらしい手料理でもてなしてくださった。

それにしても僕が家を建てるにあたってもう数十年も前から憧れていた「石場建て土壁、国産材天然乾燥」の家が、小川さんによれば「そんなに高くないですよ」というのだ。

聞いてみると、自伐林業的なこともやるし製材も自前で行うという。つまり全てが「産直・直販」の家作りなのだ。ついにこんな人が現れたのである。高松のアトリエをぜひ見たいというので再会を約束した。


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