「つむぎの杜」縄文小屋づくりws/3日目


縄文小屋づくり最終日3日目、いよいよカヤ葺き。今日は美山の茅葺職人さんが来てくれるということで、その前段階までをしっかりこなしておいた。

早々に来てくれた中野さんは、日本でも有数の茅葺き集落を誇る京都府美山町で「美山茅葺株式会社」の代表取締役会長を勤めている全国的にも有名な茅葺き職人である。縄文小屋のフレームをみて開口一番「これ、2日でここまで?」と驚きながら褒めてくれた。

早速、縄の巻き方、カヤの葺き方の実演をしてくれ、皆で分散して葺きにかかる。

竹の横木の縛り方も中野さんに本式の「男結び」を教えてもらい、一部を縛り直した。

カヤの束は葺き替え用に古民家に保存されていたものだ。ここ綾部の山間部には茅葺き民家がけっこう残っているのだが、ほぼ全てといっていいくらいトタンを被せてしまっているので、ストックのカヤは不要のものとなっているのである。

そのカヤだが最初の一番下の段は元を下に揃えて束ねながら編み込んでいき、2段目からは穂先をほうを下に重ねていくのである。こうすると小屋の裾がスッキリ見え雨仕舞いもいい。

カヤが足りなくなり、皆で古民家までカヤを取りに行く。その間、中野さんが一人で2段目を調整しながら葺いていく。

一方でオーナーの滋野さんから「風のトイレ」も作って! とお願いされており、僕はそちらのほうにかかりっきりであった。20代のL君が竹に興味を持ち出して積極的に手伝ってくれ、彼を手元に竹で簡易小屋を作っていた。

当初、縄文小屋はここのササで葺くはずだったのでその束をこのトイレの壁と屋根に使うことにした。足載せも割り竹で作った。

外側はこんな感じに、

カヤが運ばれたところで昼食。

午後から急ピッチで茅葺きの続き。太い竹を縄で吊って足場を作り三段目を葺きあげていく。

いよいよ最上段。

中野さんの発案で三角の煙抜き部分もササを使って葺いておくことに。鳥などが入らないように塞いだようがいいとのこと。中で火を焚いたときの煙はこの開口部がなくてもカヤ全体の微細なすき間から十分抜けるとのこと。

反対側の三段目をなんとか葺いて、ちょっと残ったところで終了。

中に入ってみるとその広さに皆が驚く。

風のトイレを作りながら、中の囲炉裏のセッティングをやっておいた。灰は近所に住むカナダ人女性の陶芸家トレーシーさんが持ってきてくれた。自在掛けは前にこちらで三又用に作ってもらっていたものがちょうどぴったりの雰囲気だった。

皆が集まったところで縄文小屋の火入れ式を行なった。滋野さんがお酒をふるまってくれ皆で乾杯。このままここで宴会になりそうな勢いだったけど💦 明日の上映会もあるし、中野さんの話もゆっくり聞きたいので早々に切り上げて母屋へ。

中野さんの話は非常に興味深いもので、とくに暮らしの中で火を燃やさなければダメだ・・という意識を強く持たれていることが印象的だった。

綾部はひと山越えると日本海の舞鶴港がある、海産物も美味しい。ハタハタにアンコウの汁。

そして・・・滋野さん自慢の自家製きずし(シメサバ)。

明日は上映会の前に、少しだけ残った上部の茅葺きを完成させたい。


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