丸太を刻む/二日目


午前中は原稿書き。昼飯は鬼無の「根っこ」名物玉カレーうどん。実はこれを蕎麦で食べたかったんだけど「蕎麦でカレーはやってません」とお兄さんに拒否されてしまった。まあいいや、美味かったから。すり生姜をたっぷりのせるとまた美味しい。

天ぷらだけを持ち帰りで買っていく人がいた。ここは天ぷらもけっこう旨いのだ。建設中の事務所兼新居からここは近いので、薪火で炊いたご飯で天玉丼やってみたいじゅるじゅる・・・なんて想像しながら店を出たら、雨が降ってきた。

現場は誰もいなかった。今日は職人さんはお休みらしい。小やみになってきたので丸太の刻みをやることに。

今日は2階のリビングに立つ丸太を刻む。構造的にも見せる柱としても重要な心臓部だ。ホゾの断面は85mm×30mmだが、上ホゾは深さ90mm、下ホゾは深さ70mmと長さがちがう。

寸法は昨日とって書いてあるので、柱の方向(見せる面)を決め、断面に下げ振りで中心線を書く。中心線を2分割して芯を出し、水平線を引く。丸太は正確な真円ではないので、正確な2分割というよりも、全体のボリュームから重心を選ぶ感じにする。また、年輪の芯は円の中心からズレている場合が多いので、惑わされないように。

ノコを入れていく。昨日、紙を丸めて正確な輪をトレースしたわけだが、その線に正確にノコを切り込んでいくのが重要。

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どこまでノコを入れるか、がわかるように目立つ丸印を書いておくといい。

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ノコが入ったらハツるわけだが、やっぱり節があったので、節の手前でもう一回ノコ目を入れる。

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そのノコ目まででハツっていく。

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島のように残した節まわりを、縦引きノコで挽いていく。

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続いて裏面も同じ作業を繰り返す。

次に、断面に描いた85mm幅の線を、差し金を使ってホゾ面に写し取る。

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両面に描いたら、その線のぎりぎりまでノコを入れる。

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ハツってからノミで正確に線ぎりぎりまで削っていく。

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きれいに削れたら、断面に描いた30mm幅の線を、差し金を使ってホゾ面に写し取る。

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その線を基準に、ノミで正確に線ぎりぎりまで削っていく。自然乾燥なのでヒノキの精油で光っている。削るたびにいい香りがする。

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まずひとつできた。

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サイズ確認。幅85mm。

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深さ90mm。

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厚さ30mm。重要なのはこの厚さを正確にすること。ここが厚すぎると、はめ込まれる材をナタ割りするような負担をかけてしまう。ゆるゆるでもいけないがキツキツでもまずい。キツめにするのはむしろ85mm幅のほう。こちらの方向ならキツくても材に負担をかけない。

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さて反対側。元のほうだ。丸太の場合、元は太いので削る面積は大きくなる。ちなみに元を天地の「地」側にするのは木造建築の常識。

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ここは節がないのでラク。

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ひっくり返して反対側。ノコの性能も重要。よく切れる刃であること、ブレードが曲がっていないこと。

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節がなく、道具が良くて、慣れていれば、粗取りまではあっと言う間にできる。ヒノキは硬い材だが、割裂性が高いのでとても割りやすい(節さえなければ)。

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同じように差し金で直角をとり、

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ノミで削っていく。基準線までの厚みが薄くなってきたら、小口から攻めないで、このように中央から2分割で刻んだほうが失敗がない。逆目だと基準線よりも深く食い込んでしまう場合がままあるからだ。

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最後に小刀で面取りして完成。

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今日はここまで。途中から晴れてくれて良かった♬

帰りにいつも通る見晴し台のコース。ミカンの収穫が近い。

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