翌朝、帰路につく前に酒井さんにある建物を案内してもらった。現在は閉じられているのだが大阪に縄文小屋風に建築されたカフェのすごいのがあるという噂は聞いていた。うぉ、たしかに凄いぞ・・・。
「縄文MATAMA」というカフェレストランで、古民家を何棟か分解体移築合体させ造ったものであるらしい。中にはもちろん囲炉裏があって内部も見事なんだとか。
屋根は分厚いヨシ葺きである。もう10年以上は経っているらしい。苔むしている。
それにしても、このスケール感。
洋平くんが屋根葺きの詳細を推理、解説してくれた。
現在、諸事情で閉じられているらしいが、ホームページを見ると今年の連休からリトリート(体験講座)がスタートするようである。
皆と別れて帰宅。途中、神戸で「竹中大工道具館」へ立ち寄ってみた。新神戸駅近くという立地なのだが森閑とした佇まい。駐車場も5台分くらいある。
まず庭と建築が良い! さすがは竹中工務店という感じだが、この建物は2014年(平成26年)に新館となってオープンしたもので、旧館は中山手通にあって1984年(昭和59年)から開館されている企業博物館である(公益財団法人竹中大工道具館が運営)。
庭をみせたアプローチを回りこむと階段。
階段と手摺のディテール。
テラスの手摺。笠木を曲げて親柱がわりにしているのだがそこだけ床と縁切りで浮かせている。渋い♬
入り口はガラスで見せて中央に名栗仕上げの板。もちろん自動ドア。
館内はすばらしい展示だった。道具だけでなく・・・
継手の実物や・・・
実際に手で触れるパーツの数々。これは奈良薬師寺西塔で使われた和釘。
旧石器〜縄文時代からの歴史展示。おお、縄文小屋の絵が(笑)!
そしてなんとっ、クサビ割りの実物展示まで! 木のクサビ、奥はガイドの両刃ノミの溝。
チョウナにヤリガンナ。奥にそれぞれに削りクズが置いてあって触って見ることができる。
チョウナの刃の形。やはり名栗仕上げには「はまぐり刃」というやや湾曲した形が使われていたのだ。僕の持っているのは右の直刃で、これは荒ハツリ用なのである。
ハツリヨキ。美しいですね!!
茶室の実物も展示。水屋の詳細を、本物の仕口で解説付きで見ることができる!
引き手(襖などの開閉部に使われるもの)のコレクション。ダメだこりゃ、ここにいたら夕方まで帰れなくなってしまう(笑)!
というわけで、なんとか明るいうちに帰還。1週間ぶりに戻ると庭と畑が草刈りの手を待っている。洗濯をぶち込んでから外に出直し、様々な芽出しをチェックしながら早速草刈りを・・・。